※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」3位に「PayPay」が選ばれた。2度の「100億円」キャンペーンなどで認知度を一気に高め、開始1年で登録者1500万人を突破。キャッシュレス決済を普及させた立役者だ。

開始1年で登録者1500万人を突破 ©guteksk-adobe.stock.com
開始1年で登録者1500万人を突破 ©guteksk-adobe.stock.com

【3位】PayPay

後発ながら「100億円」連発で大躍進
スマホ決済を普及させた立役者

 日本に根強くいた現金主義者の多くが2019年から「スマホ決済」にくら替えし、店頭での支払い風景は大きく変わった。そのけん引役は間違いなく「PayPay」だ。

 18年10月開始とスマホ決済では後発ながら、前代未聞のキャンペーンを次々と打ち出し、スマホ決済に「使わないと損」というイメージを植え付けるのに成功。約1年でアカウント登録者が1500万人を、加盟店が150万カ所を、累計決済回数が1.7億回を突破する勢いを見せた。

 特にインパクトが大きかったのが、2度の「100億円」キャンペーン。決済額の20%を還元する大盤振る舞いで、18年12月の第1弾は僅か10日間で還元総額が100億円に達し早期終了。世間の耳目を大いに集め、スタートダッシュを決めた。

 第2弾は19年2月に開始。今度は1回当たりの還元上限額を抑え、繰り返し使うことで得を積み重ねる体験づくりを仕掛けた。3カ月間のキャンペーン期間中に、利用者数は着々と伸びた。並行して加盟店の獲得も進め、数千人の営業スタッフが、これまでクレジットカードすら使えなかった全国の中小店舗を地道に開拓。地方も含めた「PayPay経済圏」をつくり上げた。

 6月以降も、店舗の業態や利用時間帯などを絞った月替わりのキャンペーンを実施。利用者層を拡大するとともに、加盟店の一段の開拓につなげた。8〜9月の2カ月間で、登録者は500万人増。10月の消費増税に伴って開始された国の「キャッシュレス・消費者還元事業」に備えるための動きだが、そこで急加速する素地は十分に出来上がっていた。

 PayPayの攻勢に対抗する形で、LINE Payや楽天ペイなど他のサービスでもお得感や利便性を高める動きが急速に広がり、スマホ決済全体が定着。ICT総研の調査では、18年度に2000億円規模だったスマホのコード決済額は、19年度に7000億円規模まで拡大を見込む。遅々として進まなかった日本のキャッシュレス決済を、一気に前進させた功績は絶大だ。

インパクト絶大だった2度の「100億円」
インパクト絶大だった2度の「100億円」
100億円を利用者に還元する2度のキャンペーンが注目を浴び、サービスの認知度が大きく高まった
■チャンスを次々と演出し、繰り返し使ってもらうことに成功
■チャンスを次々と演出し、繰り返し使ってもらうことに成功
18年12月と19年春に実施した100億円還元、6月からの「いつもどこかでワクワクペイペイ」といったキャンペーンにより、様々な店舗で使って得するという習慣を定着させた
使える場所も順調に広がる
使える場所も順調に広がる
コンビニや飲食店などの大手チェーンはもちろん、個人経営や中小企業の小規模店舗でも使える所が次々と増え、一段と便利になった
コンビニや飲食店などの大手チェーンはもちろん、個人経営や中小企業の小規模店舗でも使える所が次々と増え、一段と便利になった
テレビCMや店頭ポスターなどの広告を積極投入。印象に残るPayPayダンスも話題に
テレビCMや店頭ポスターなどの広告を積極投入。印象に残るPayPayダンスも話題に