※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成
日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」1位に「ワークマン」が選ばれた。作業服店が、見せ方一つでアウトドアウエアショップに変貌。2019年8月の売上高は前年比で約60%伸び、店舗数はユニクロを超えた。大ヒットの軌跡を振り返る。
【1位】ワークマン
作業服から「ポストユニクロ」へ鮮やかに転身
追随不能の空白市場で早くも400億円を確保
作業服から「ポストユニクロ」の筆頭格へ。間違いなく日本のアパレル史上に残るであろう華麗なる転身を、ワークマンが僅か1年で成し遂げた。
劇的な物語は、2018年9月に始まった。東京都立川市の大型商業施設「ららぽーと立川立飛」に、新業態「ワークマンプラス」を出店。作業着が連なる既存店と異なり、アウトドアショップを思わせる店構えで登場した。プロ仕様のカジュアルウエアが激安価格で並び、これまでワークマンを見向きもしなかった一般客が飛び付いた。
たった1店舗のトライアルが、瞬く間に全国の既存店に波及した。その衝撃たるや、すさまじかった。この月、ワークマンの全店売上高は前年比130%と大爆発。出店したばかりのワークマンプラスが広告塔となり、既存のワークマンにも新規客がなだれ込んだのだ。特にワークマンプラスの2、3号店が開業した18年11月以降は、11カ月連続で2桁増。19年8月には159.5%と驚異的な伸びを刻んだ。アパレル不況を物ともしない無双ぶりに、株式市場も沸き立った。ワークマン株は19年10月16日に一時、上場来高値の9650円まで上昇。1年で3倍弱となり、時価総額で8000億円に迫った。
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