シアトルを拠点に置く急成長中のスタートアップに焦点を当て、その企業の特徴を紹介しつつ、経営者にインタビューする。前編(第3回)はAI(人工知能)を駆使した英語発音矯正アプリを開発し、世界展開を目指すブルー・カヌー・ラーニングについて解説。後編(第4回)でサラ・ダニエルズCEO(最高経営責任者)の話を聞く。
英語学習に関するサービスの市場規模は世界規模でみると335億ドル(約3兆円、2018年、Adroit Market Research)。この市場は成長を続けており、25年には548億ドル(約5兆円、同)になると予測されている。成長の背景には、グローバルな事業展開を目指す場合、人間関係の構築に英語が不可欠という事情がある。今回紹介するブルー・カヌー・ラーニングは、毎日10分間、ゲーム仕立てのアクティビティーをすることで、英語の発音がよりクリアになるというモバイルアプリ「ブルー・カヌー」(Blue Canoe)を開発、世界45カ国の企業に提供しているスタートアップだ。
英語発音矯正アプリのブルー・カヌーは、日本でも18年9月から企業向けに販売を開始。19年6月からはオンライン英会話学習サービスの米ネイティブ・イングリッシュ・インスティチュートなどが個人向けに販売している。他の英語教育アプリとの決定的な違いは、ユーザーの発音をデータにしてサービス向上に活用するAI技術を導入している点だ。このユニークな仕組みが、世界有数のAI技術の研究施設であるポール・アレンAIインスティチュート(マイクロソフト創業者の1人であるポール・アレン氏が資金を拠出)のインキュベーションプログラムとして選抜された。
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