シャフトというヒト型ロボットのスタートアップを創業。2013年、米グーグルが同社を買収したことで一躍有名になった起業家の加藤崇氏。現在はフラクタというAI(人工知能)スタートアップのCEO(最高経営責任者)である同氏に、日米で大きく違うイノベーションのあり方などを聞いた。

フラクタ ファウンダー兼CEO 加藤崇氏
フラクタ ファウンダー兼CEO 加藤崇氏
早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)などを経て、ヒト型ロボットベンチャーのシャフト(SCHAFT)の共同創業者兼取締役CFO。2013年11月、米グーグル本社が同社を買収し、世界の注目を集めた。15年6月フラクタ(Fracta)を創業、CEOに就任。18年5月、同社株式の過半を栗田工業に売却。元スタンフォード大学客員研究員、東北大学特任教授(客員)

――いきなり失礼な質問で恐縮ですが、グーグルに会社を売った実績は、米国ではどれほどの価値を持つのでしょうか。

加藤崇氏(以下、加藤氏) 僕らのようなスタートアップの人間にとって、とても大きな価値を持ちます。そもそも日本人でグーグルの投資部門の人間に会える人は少ない。会えたとしても、その大半は大企業の米国駐在員。グーグルの人間からすれば、「2、3年もすれば日本に帰る人」ですからね。

 一方、僕たちの会社をグーグルが買収したときに責任者だったのはアンディ・ルービン氏。米アンドロイドの創業者であり、「Androidの父」として尊敬されている人物です。

 (僕らの会社を)グーグルが買収して、人型ロボット事業にするきっかけを作ったと知ると、(僕のことを)社会にインパクトを与えるビジネスに挑戦している仲間だと認めてくれて、(彼らの)コミュニティーの一員として受け入れてもらえるのです。

――現在、日本は空前のスタートアップブームに湧いていますが、グーグルが買収してまで欲しがるような会社は多くはないようです。シャフトのような会社が出てこないのは、なぜでしょう。

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