イノベーションの創出という点で、GAFAを筆頭とする米国勢はもちろん、中国企業にも劣後する日本企業。背景に何があるのか。DeNA元会長で、現在は米国西海岸を拠点とするベンチャーキャピタル(VC)スクラムベンチャーズのパートナーを務める春田真氏に聞いた。

スクラムベンチャーズ パートナー 春田真氏/1992年4月、住友銀行に入行。同行退職後、2000年2月、DeNA(ディー・エヌ・エー)入社、同年9月に取締役CFOに就任。常務CFOを経て、11年6月会長に就任。DeNAの上場を主導するとともに大手企業とのJV(共同出資会社)設立や横浜DeNAベイスターズの買収などのM&Aを推進し、横浜DeNAベイスターズのオーナーも兼任。15年4月にベータカタリストを設立し、医療やライフスタイル、AI、IoTなどの領域を中心にスタートアップへの投資を実施。奈良県出身。京都大学法学部卒
スクラムベンチャーズ パートナー 春田真氏/1992年4月、住友銀行に入行。同行退職後、2000年2月、DeNA(ディー・エヌ・エー)入社、同年9月に取締役CFOに就任。常務CFOを経て、11年6月会長に就任。DeNAの上場を主導するとともに大手企業とのJV(共同出資会社)設立や横浜DeNAベイスターズの買収などのM&Aを推進し、横浜DeNAベイスターズのオーナーも兼任。15年4月にベータカタリストを設立し、医療やライフスタイル、AI、IoTなどの領域を中心にスタートアップへの投資を実施。奈良県出身。京都大学法学部卒

――スクラムベンチャーズは2018年、BeeEdge(ビーエッジ)という新会社をパナソニック、官民ファンドINCJと共同で設立した。パナソニックのアプライアンス社が持つ技術などを事業化する会社だと理解しているが、どういう経緯だったのか。

春田真氏(以下、春田氏) スクラムベンチャーズは米国西海岸が活動の中心だが、3号ファンドを立ち上げるに当たり、日本でも投資をしていこうとなった。その中でアプライアンス社と話をしたのがきっかけだ。

 アプライアンス社は社内のアイデアを事業化する「Game Changer Catapult(ゲーム・チェンジャー・カタパルト、GCC)」という取り組みを進めている。だが、「会社としてやる以上は、一定の事業規模が必要」ということで、なかなか事業化できていなかった。そこで「スクラムと連携する手があるのでは」と持ちかけた。

――パナソニックは日本の中では新事業の創出に熱心な1社だ。そんな会社でも難しかったということか。

春田氏 背景にはいろいろな事情がある。スクラムのようなファンドが投資をするなら、当然ながらイグジット(出口)は、キャッシュの回収になる。だが事業会社だと、事業を立ち上げたとしてもゴールは必ずしも資金の回収ではない。

――そうした違いが甘さにつながり、事業化の成功例が少ないということか。

春田氏 そもそも目的が違うということだ。大企業からすると、良さそうなアイデアを基に会社をつくって、うまくいったらオーケーという話。事業化して絶対に利益を出さねばならないという切迫感はない。

 だからビーエッジを立ち上げたときには、投資する以上はイグジットしないといけない、ということをルールにした。

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