2023年に新市場を作る企業として最後に紹介するのはPATRA(東京・渋谷)だ。D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドを複数展開する同社は、20年にデジタルを活用したD2C専門店をオープンさせてリアルな小売り事業を始める。米国ではD2C専門デパートが現れ始めている。PATRAはそうしたD2C発の新たな小売り市場の創出を狙う。
国内でも活発化し始めたD2Cと呼ばれる、次世代のモノづくり。経営の要所にデジタルを活用することでコスト効率を高め、ECを軸とした直販モデルで高収益体制を築く。浮いた資金をモノづくりに当てることで、商品力を高める。こうしたD2Cブランドが米国で人気を集め、その波が日本にも押し寄せている(関連記事:「D2Cの正体」)。
先行する米国では、ネット発のD2Cブランドが顧客接点を拡大するために店舗を設置する企業が増えている。ブランドに場所貸しをする、D2C専門の百貨店とも言える新業態を展開する米ネイバーフッドグッズのような企業も現れている。同社は自社の店舗を「A new type of department store」と表現する。ECの台頭によって、縮小傾向にある百貨店市場の再開発を狙う。
国内でもD2C専門店の開設を目指すベンチャーが現れている。PATRAは20年上期に、D2C専門のセレクトショップをオープンさせる計画。ネットと店舗を融合した新しい店舗を構築すべく、システムを自社開発する。モノづくりから始まったデジタルブランドD2Cは、流通小売りへと場を広げ、「ニューデパートメント市場」へと拡大の道をたどりそうだ。日経クロストレンドは、その有力企業であるPATRAに着目した。
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