自動車大国の米国では今、深刻な交通渋滞の原因ともなっている過度のマイカー依存からの脱却を目指し、各地でMaaSの取り組みが進んでいる。シンガポールで開催されたITS世界会議2019で、米国のMaaS最新事情を知るキーパーソンに話を聞いた。
(聞き手は、計量計画研究所理事の牧村和彦)
米国におけるMaaSの状況を教えてください。
すでに米国には、3タイプのMaaSが展開されています。1つ目は、交通事業者が主導して進めているマルチモーダルな移動支援サービスです。米国では地方公共団体が地域の交通サービスに対して責任を負っており、市交通局が運営するMaaSです。市当局がプラットフォーマーになります。
そして2つ目は、交通事業者がIT企業と連携して進めるサービスです。マルチモーダルな経路検索システムを持つ企業、決済関連の企業など、様々なプレーヤーと組んで展開しています。
3つ目は、民間企業が主導で進めているマルチモーダルな移動支援サービスです。郊外や小さなコミュニティーなどで展開している他、最近では全米の大都市圏で独自の移動支援サービスを展開しています。配車サービスのウーバーテクノロジーズやリフトは、その代表例です。
米国の先進的な取り組みとしてはどんな例がありますか?
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