企業間のデータ連携を進めるためのコンソーシアムが動き始めている。データ全般を扱う組織、流通や運輸など業界ごとの組織、札幌などエリアごとの組織、AI(人工知能)活用などテーマごとの組織など。すべてが活性化しているわけではないが、有益なものもけっこうある。

コンソーシアムでデータ連携も(写真/Shutterstock)
コンソーシアムでデータ連携も(写真/Shutterstock)

 特集第3回で紹介した「丸の内データコンソーシアム」は2019年9月12日に設立。本日10月31日にもヤフーが、「データフォレスト構想」として進めてきた実証実験の成果などを発表し、商用サービスの段階へ入る。これまで三越伊勢丹やミツカン、KADOKAWA、あるいは東京都や京都市などとの間でデータ連携を進めてきた。参加企業の課題などに対して、ニュース、検索、購買、位置情報といったヤフーが持つデータや分析の知見で協業する。

 果たして国内にはどんな分野にどれくらい、データ連携のコンソーシアムやラボがあるのか──。データ全般を扱うケース、流通や運輸など業種ごとのデータを扱うケース、丸の内などエリアに重点を置いたケース、AI活用などテーマに重きを置いたケースの4つに分けて紹介していこう。以下、取材と当該サイトから情報を得た。「一社」とあるのは一般社団法人のことである。

──データ全般を扱う──

■ データ流通推進協議会(一社)
 データの提供者と利用者が安心してスムーズにデータを授受できるような技術的・制度的な環境整備を目的として設立された。データ流通市場の活性化やデータの運用・技術基準の策定、データ流通における法的課題の研究・調査などに取り組む。情報通信業、製造業など大手企業を中心とした会員構成で、内閣官房、総務省、経済産業省がオブザーバーとして参加している。参加企業はインテージ、日立製作所、ソフトバンク、NTTデータ、三井住友フィナンシャルグループ、ソニー、電通、セブン&アイ・ホールディングスなど。2017年11月設立。

■ LOHACO ECマーケティングラボ
 14年2月にアスクル本社内に拠点を設置。LOHACOにおける顧客データや購買データなどのビッグデータを参加企業へオープンにした。参加企業は他の参加企業のデータを閲覧できる。約140社の企業が参加している。参加企業はアサヒビール、味の素、エスビー食品、サッポロビール、日清食品、マルコメ、ミツカン、良品計画、アドビシステムズ、グーグル、Twitter Japan、日立製作所、Facebook Japan、ヤフーなど。14年2月拠点設置。

■ セブン&アイ・データラボ
 セブン&アイ・ホールディングスが立ち上げたデータ活用に関する研究会。ANAホールディングスやNTTドコモ、三井住友フィナンシャルグループなど10社が参加。異なる業界のデータを相互に活用することで生活課題や社会課題を解決することが目的である。参加企業は上記の他、ディー・エヌ・エー(DeNA)、東京急行電鉄、東京電力エナジーパートナー、三井物産など(発足当初)。18年6月開始。

■ Yahoo! Japan DATA FOREST
 ヤフーのデータから得られる様々なインサイトを、ヤフー社内だけでなく、企業や自治体など、参画するプレーヤーがデータを相互に利活用することで、それぞれが成長し、さらに多くのデータが集まるエコシステムの構築を目指す。ニュース、検索、購買、位置情報などのヤフーのデータを様々な切り口で分析し、インサイトを導くサービス「DATA FOREST INSIGHT」と、企業や自治体へ機械学習や自然言語処理といった技術を使ったレコメンドや予測などのソリューションを提供する「DATA FOREST ENGINE」を19年10月末から始める。18年2月構想発表。

■ IoT推進コンソーシアム
 産学官が連携して、IoT推進についての技術の開発・実証や新たなビジネスモデルの創出を推進する体制構築を目的に設立された。IoTに関する技術の開発・実証、標準化、IoTに関する各種プロジェクトの創出や規制改革の提言などを推進する。法人会員は3771社(19年8月28日現在)。15年10月設立。

■ 日本データマネジメント・コンソーシアム(一社)
 データや情報のマネジメントに関する社会的な認知を高めて、企業や行政機関などがデータマネジメントを実践する土壌をつくることを目的に設立。会員数は220を超える。データ管理や利活用に必要なガイドラインの提言や、勉強会、セミナーなどの活動をする。参加企業はNTTデータ、NTTドコモ、帝国データバンク、日本IBM、日本オラクル、NEC、日立製作所、富士通(19年10月2日現在)。11年4月設立。

■ オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(一社)
 公共機関のオープンデータの公開を推進し、国や地方公共団体が公開したデータと組み合わせてビッグデータとして利活用することで新たなビジネスを創出し地方創生を推進、経済の活性化を行う組織として設立された。オープンデータやビッグデータの活用推進に向けた課題解決に関する研究活動や技術仕様の策定、政策の提言などを進める。参加企業はKDDI、電通、日本IBM、NEC、NTT、日本マイクロソフト、日立製作所、富士通、三菱総合研究所など(19年9月12日現在)。14年10月設立。

■ データビジネス創造ラボ・コンソーシアム
 ラボはIT、統計、ビジネスデザインを研究テーマとする慶応大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)を中心とした慶応の教員やスタッフで構成される研究組織。ビッグデータを扱うアーキテクトの研究とシステムも分かる情報戦略を実働できるデータサイエンティストの育成を目的とする。アクセンチュアとブレインパッドが幹事会員としてコンソーシアムを運営。高校生から大学院生を対象とした「データビジネス創造コンテスト」を開催している。参加組織はSFC研究所、アクセンチュア、ブレインパッド、電通、NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション、デジタルガレージ。13年10月1日発足。

■ 公的統計ミクロデータ研究コンソーシアム
 日本における公的統計ミクロデータの研究利用(2次利用)を促進するために、関係機関が一体となり、取り組むことを目的として設立。公的統計ミクロデータ分析の普及・啓発や産学官連携の推進などを行う。16年3月設立。

■ 官民データ活用共通プラットフォーム協議会(一社)
 日本の強みを発揮しつつ、低コストで相互連携や横展開ができる官民データの活用を実現して社会課題解決へ貢献するため、日本発の国際標準であるOMA/NGSIなどのオープンAPIを活用したエコシステムをつくって、官民データ活用共通プラットフォームやその上で稼働する各種サービスをつくり、国内外へ横展開することが目的。参加企業はNTTコミュニケーションズ、NEC、日立製作所、富士通、アマゾンジャパン、NTTデータ、グーグル、セールスフォース・ドットコム、電通国際情報サービス、日本マイクロソフト、日本ユニシス、日本IBMなど(19年10月1日現在)。 18年6月設立。

──業種ごとのデータを扱う──

■ リテールAI研究会(一社)
 17年にリテール分野におけるAI活用についての情報共有を目的に発足。18年には流通企業を対象とした「流通部会」も立ち上がった。会員は流通関連商材のメーカー、卸、その他関係企業を中心に構成されている。希望企業による実用化実験や、「リテールAI検定」での人材育成活動などを行う。参加企業は日本マイクロソフト、電通、富士通、インテージ、アサヒビール、サッポロビール、小林製薬、NTTドコモ、サイバーエージェントなど。17年5月設立。

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