※日経エンタテインメント! 2019年10月号の記事を再構成
作品の面白さがダイレクトに反映されるYouTubeとTikTok。タレント「SNSパワー」ランキングでは、タレントよりもインフルエンサーが上位に並ぶ結果となった。しかしオリジナル性で勝負をし、成功するタレントも出てきている。
SNSを使いこなすことで、一般人でも著名タレント以上のフォロワー数がつき、絶大な影響力を持つことができる現在。インフルエンサーが各SNSから誕生している。なかでもよく知られた存在がYouTuberだろう。独自に制作した様々な動画を日々上げ続けるYouTuberは、2015年頃から日本でも大きく盛り上がり、現在ではそれを生業とする者も生まれている。
SNSのフォロワーにあたるYouTubeの登録者数を編集部で独自に調査したところ、1位は810万人のはじめしゃちょー、2位には762万人のHIKAKINが続いた。この数字はインスタグラム1位渡辺直美の888万人、ツイッター1位の有吉弘行の712万人といったタレントとほぼ同レベル。その人気の高さが分かるだろう。はじめしゃちょーは12年、HIKAKINに至っては06年から活動を開始。「日本中のサイダーを全部混ぜて飲んでみた」「トイレットペーパー20年分購入してみた」などの、バラエティ色の強い動画を日々アップして登録者数を積み重ねてきた。
当初は1人で活動するYouTuberが注目されていたが、グループで活動するYouTuberも注目されてきている。3位のフィッシャーズは中学校の同級生で組んだ7人組、5位の東海オンエアは学生時代の友人同士で結成した6人組だ。1人では出せない、仲間同士のわちゃわちゃ感のある動画がウケている。
ちなみに女性トップは、「一升チャーハンにチャレンジ」といった大食い動画で人気の木下ゆうか。532万人で、4位に入った。
YouTuberといえば、面白動画ばかりが目立ちがちだが、ランキング上位には、「料理」「子供向け」といった実用系も並ぶ。料理では、見事な包丁さばきを披露するJunsKitchenが8位。10位のTravel Thirstyは、アジアを中心とした屋台料理を紹介している。
子ども向け動画では、12位のタキロンは、ドラえもんなどのおもちゃの人形をコマ撮りにしたアニメーション動画を投稿。小さな子どもたちが釘付けになると、親世代からも重宝されている。
年々存在感を増しているYouTuberだが、その多くが他のSNSも積極的に活用している。接点を増やすことでベースであるYouTubeの再生回数を伸ばすことがその目的だ。今回の調査では、ツイッターフォロワー数ランキングで、はじめしゃちょーが6位、HIKAKINは12位に入った(第2回参照)。
また、近年はテレビタレント、ミュージシャンとして活躍の場を広げるYouTuberも増えている。レコード会社も、既に多くのファンを持ち、セールスが見込める彼らに注目。登録者数250万人の2人組ユニット、スカイピースは17年にソニーから、72万人の登録者数を持つみやかわくんも18年にユニバーサルからメジャーデビューを果たしている。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー