※日経エンタテインメント! 2019年10月号の記事を再構成

タレント・著名人のSNS活用が加速している。「タレント『SNSパワー』ランキング」では、1500組を対象に拡散力を徹底調査した。日本での利用者が急増しているインスタグラムは、タレントの利用も多い。そのなかでフォロワー数1位を獲得したのは、インスタ女王こと渡辺直美。男性1位は山﨑賢人。5月に新規開設した山下智久は300万人を超えた。

SNSを巡る話題が拡大、必須のツールに
SNSを巡る話題が拡大、必須のツールに

 年の瀬も押し迫った2018年12月22日、SNSにまつわるニュースが飛び込んできた。それは、木村拓哉が中国発のSNSであるWeiboでアカウントを開設したというもの。19年に入ると、山下智久と西野七瀬がインスタグラムの利用をスタート。それぞれ、直後に多数のフォロワーを獲得して話題となった。

 木村拓哉や山下智久は、これまでネット上での情報発信に積極的ではなかったジャニーズ事務所の所属。8月8日には、ジャニーズJr.のSixTONES、Snow Man、Travis Japanの3組がそれぞれ、YouTube、Weibo、インスタグラムにアカウントを開設すると発表するなど、SNS進出が続く。さらに、8月23日には同事務所の公式YouTubeチャンネルが立ち上がり、Travis Japan『Namidaの結晶』のミュージックビデオが1本目の動画として公開された。昨今、日本のエンタテインメント界では、海外進出がキーワードの1つ。海外展開の足がかりとして、彼らの先輩に当たるデビュー組を含めてさらにSNSの利用が続くのではと推測される。

 今年はタレント・著名人のSNSから発信された情報も世間をにぎわせた。3月には、当時NGT48のメンバーだった山口真帆が、自身に関する暴行事件について会社側が記者会見を行う最中に、ツイッターを通じて反論し、一大ニュースとなった。まさにSNS時代を象徴する出来事と言っていいだろう。

 急速に進んだSNSの普及で、タレントのあり方は大きく変わっている。それぞれが、自身に関心を持つフォロワーに向けて、適切なタイミングで情報を発信できる“メディア”を持ったといっていい。もちろん、宣伝や告知だけではない。ファンとの交流を図るコミュニティーの場としても威力を発揮している。

ビジネスモデルにも変化

 さらに、昨今ではSNSやインターネット上で展開されるビジネスモデルも多様化。例えば、YouTubeでは動画の再生回数から収入を得られ、昨今ではキングコングの西野亮廣らが利用していることで注目を集める月額会費制の「オンラインサロン」が勃興。また、音楽や動画に触れる場所として、ストリーミングサービスの存在感も増している。テレビや映画といった従来のメディアとは異なる、新たな経済圏が確立し始めるなか、ネットユーザーにダイレクトに情報発信できるSNSを活用することは、今後、タレントにとって必須になっていくとも考えられる。

 17年の夏から日本でのサービスをスタートした、動画共有プラットフォームのTikTokが急成長するなど、SNSは拡大の一途。用途に応じて、複数のSNSを使い分けるタレントも増えている。では、今の時代にSNSで影響力を持つタレントは誰なのか。インスタグラム、ツイッター、フェイスブック、さらに広義的にSNSに含まれるブログを調査した。また、タレントの新規利用が進む、YouTubeとTikTok、そしてWeiboを取り巻く状況も探った。

調査概要
調査対象 インスタグラム、フェイスブック、ツイッター、アメーバブログのいずれか、もしくは複数のSNSを利用する1500組の芸能人・著名人。主に日本で活動する人が対象。
調査期間 2019年1月1日~6月30日
調査項目 インスタグラム:(1)フォロワー数/読者数
ツイッター、フェイスブック、アメーバブログ:(1)フォロワー数/読者数 (2)期間内の投稿数 (3)1投稿に対する「いいね」「コメント」などリアクションの平均値

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