スポーツは肉体を駆使する活動で、プロともなれば、筋力や瞬発力とフィジカル面の強さが成績に大きく影響する。そんな既存の概念を覆し、誰もが楽しめる新しい競技を生み出そうとする動きが活発化している。VR(仮想現実)など技術を生かしたスポーツとゲームの融合で、新市場の可能性も広がっている。
2020年の東京五輪・パラリンピックでは報道関係者が集まるプレスセンターとなる東京ビッグサイト。19年10月中旬に開催されたテクノロジー系イベントの最終日、ステージに登壇したのは東京都の小池百合子知事だった。東京都のテクノロジー関連の取り組みを紹介しつつ、強調したのは「パラリンピックの成功なくして2020東京大会の成功はない。会場を満杯にする」という意気込みだ。
東京都にとって、東京五輪と同様にパラリンピックの注目度を高めることは大きな課題の1つ。いかに実現するか。関連団体がさまざまな試行錯誤を続ける中、あるゲーム風のアトラクションが注目を集めている。プロジェクションマッピングやVR事業を手掛けるワントゥーテン(京都市)が開発した「CYBER WHEEL X(サイバーウィル エックス)」だ。
「動作確認完了、システムオールグリーン。シティーネット接続完了……レースがスタートします」。左右のハンドリムを勢いよく回すと、VRゴーグルのスクリーンに映し出されたサイバー空間が流れていく。実際に試してみると、コースの下り坂では、まるでジェットコースターに乗ったときのような「落下の怖さ」を感じるほど。風景は東京各地をモチーフにしている。新宿、秋葉原、銀座、お台場を通り抜け、丸の内の東京駅をジャンプして飛び越えるとゴール地点の渋谷にたどり着く。
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