昭和世代には懐かしい「牛乳配達」が、令和の今も生き残っている。国内シェア45~50%を占める「明治の宅配」は、1976年の顧客数約350万軒をピークに、80年代になると約120万軒に落ち込んだが、今では約250万軒まで回復。アナログなサービスが安心感を生み、シニアの心をがっちりとつかんでいる。
明治の宅配は1928年にスタート。80年代の落ち込みはスーパーやコンビニエンスストアの拡大などが理由だという。ところが、2000年代には顧客は再び増加傾向になり、約250万軒まで回復。それ以来、現在まで、ほぼ横ばいで推移しているという。
明治の宅配の顧客は、約7割を60歳以上が占める。明治では、「小容量の飲みきりサイズでいつも新鮮な商品が飲める」「注文しなくても定期的に商品が届くので習慣化しやすい」などを人気の要因として捉えている。
時代は変わっても、瓶に入った牛乳を1軒1軒届けるという昔ながらのスタイルを踏襲。人を介して商品をやりとりするアナログなサービスが、シニアに安心感を抱かせている。「1本の量が多いと飲みきれない」という不満を足で集め、それを商品開発に生かしたのが復活の要因だ。
機能をウリにした宅配専用商品
●低迷の理由
スーパーやコンビニエンスストアが増加して、牛乳などを気軽に購入できるようになった。
●解決策
宅配でのみ購入できる機能性食品の発売と、販売店の営業力を強化。シルバー世帯を中心に新規顧客を開拓。
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