キングジムの「テプラ」シリーズは、発売から約30年の歴史を持つラベルライター。安定した売り上げを誇ってきたが、2010年代には既存ユーザーの買い替え、買い増しが中心になっていた。状況を打破したのがガーリー「テプラ」だ。女性の開発担当者が社内の反対を説得し、「自分のために楽しく使う女性ユーザー」を開拓した。
「テプラ」の初代発売は1988年。「簡単にラベルを作成できる道具」として知名度は高く、オフィスで使用されることが多かった。売り上げも安定していた。たが、別の言い方をすれば、当初想定したユーザー、使用シーンにはほぼ行き渡った感があり、市場は飽和状態にあった。
そんな状況を変えたのは、13年に発売した女性向けのガーリー「テプラ」。淡い色合いのガーリーな外見が特徴で、搭載フォントにもかわいらしいものをそろえている。リボンやマスキングテープにも印刷できるため、ハンドメイドの小物や菓子のラッピング、結婚式の招待状、手帳やノートのデコレーションなど、幅広い用途で使用できる。新しい使用シーンを示すことで個人の新規ユーザーを取り込み、市場の拡大に成功した。
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