ホテル業界で最も勢いがあるのが、“ビジネスホテル以上、シティーホテル未満”の宿泊特化型ホテル。特集の最終回は、その先駆けともいえる「カンデオホテルズ」の意外な戦略を紹介する。同社は2019年10月、都内ではなく、さいたま市に首都圏の旗艦ホテルをオープン。「首都圏の攻略は五輪後」という。

宿泊特化型ホテルの先駆けともいえるカンデオホテルズ(写真提供/カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント)
宿泊特化型ホテルの先駆けともいえるカンデオホテルズ(写真提供/カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント)

 「ビジネスホテルの部屋はただ寝るだけで味気ない。かといってシティーホテルは宿泊料金が高く、気軽に使えない。2つの選択肢しかないのはおかしいのではないか」――。カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京・港)の穂積輝明会長兼社長は、05年に「カンデオホテルズ」を立ち上げたきっかけをこう振り返る。「4つ星ランクのビジネスホテル」をコンセプトに、客室、大浴場、朝食という宿泊に関わる3要素をビジネスホテルより上質にした宿泊特化型ホテルを開発。07年に第1号ホテルをオープンさせてから約12年で全国に22施設、4000近い客室数を持つホテルチェーンに成長した。

「カンデオホテル大宮」の標準的な客室。窓際のソファはベッドにもなり、最大3人まで宿泊可能
「カンデオホテル大宮」の標準的な客室。窓際のソファはベッドにもなり、最大3人まで宿泊可能
最上階には展望大浴場を設置している(写真提供/カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント)
最上階には展望大浴場を設置している(写真提供/カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント)

 宿泊特化型ホテルというコンセプトは、ビジネス客だけでなく訪日外国人客のニーズにもマッチすることから、他社も続々と参入。ホテル業界の最新トレンドとなっている(関連記事「知られざるホテルが銀座で大増殖 インバウンド比率9割超も」)。

 宿泊特化型ホテルの火付け役ともいえるカンデオが、19年10月、22施設目となる14階建て321室の大規模ホテルを、さいたま市の大宮にオープンさせた。同社としては大阪市にある2つのホテルに次ぐ規模で、首都圏における旗艦ホテルという位置付け。しかしなぜ都内ではなく、郊外の大宮に進出したのか。

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