ゲームスクールコーナーのバンタンゲームアカデミーでは、スクウェア・エニックスがプロデュースしているアイドルグループ「GEMS COMPANY」がファンと直接会話する「お話し会」を実施している。彼女たちの主戦場はYouTube。今回の対面も「モニター越し」だが、とても生々しくて、くすぐったい、特殊な体験だった。

 「GEMS COMPANY(ジェムズ・カンパニー)」は12人組のアイドルで、所属事務所は「でんぱ組.inc」などで知られるディアステージ。オーディションを経て2018年8月にデビューした。楽曲とミュージックビデオを発表し、単独ライブを行い……と、歌って踊れるアイドルとして活躍しているのだが、彼女たちのビジュアルは「生の人間の姿」ではなく、リアルタイムで動くCGだ。だが「バーチャル」でもない。歌もダンスも表情も言葉も、すべて「本当の女の子」によるものだ。

バーチャルではないアイドル

 GEMS COMPANYのメンバーはそれぞれSNSアカウントを持ち、活動の告知や日々の何気ない出来事を毎日ツイートしている。動画も日常的に配信している。この内容がなんとも「生っぽい」。架空のキャラクターではなくて現実世界の女の子がそこにいる、と感じる。

「GEMS COMPANY」の12人。(c)2018,2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
「GEMS COMPANY」の12人。(c)2018,2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

 「楽曲やグループとしての方向性はプロデュースしていますが、個々の発言や、配信でのふるまいは本人に任せています。彼女たちの個性そのままです」と話すのは、スクウェア・エニックスのプロデューサー・高橋祐介氏。

 「完成されたアイドルではなく、夢を持つ女の子たちがアイドルとして成長していく姿を、ファンも一緒に楽しいんでほしい」のだという。バーチャルなキャラクターではなくて、私たちのすぐそばでアイドルとして活動している女の子たちだ。

「これ見えるんすか!?」

 東京ゲームショウ2019(TGS2019)ではGEMS COMPANYのメンバーのうち4人が、ブースとスタジオをインターネットで接続し、生中継で登場した。文字通り「降臨」だ。そして、いつもとは違うTGS2019限定の衣装をまとっている。バンタンゲームアカデミーの学生がメンバーそれぞれのテーマカラーや個性をイメージしてデザインした衣装だ。今回の取材では珠根うたさんと一文字マヤさんに会った。

 GEMS COMPANYにとって、ファンと対面して会話をするのはTGS2019が初めてだというが、こっちもアイドルと一対一で話すことなんて初めてだ。しかもマイクの前に立ち、モニター越し。なかなか緊張する。

 ブースの上の方にはカメラが設置してあり、そのカメラを通して彼女たちにもこちらの姿は見える。なので、こちらの服装や持っているスマホカバーを「かわいい~」とほめてくれたりする。とにかく見られている感覚がくすぐったい。

 一般公開日に駆けつけたファンの一人は、自分を指して「え、見えるんすか? これ見えるんすか!?」と興奮気味に話しかけていた。かわいさと「本当にいるんだ……」という感覚で頭がグラグラする。

バンタンゲームアカデミーのブース。マイクの前に立ち、ファンが思いを伝える
バンタンゲームアカデミーのブース。マイクの前に立ち、ファンが思いを伝える
珠根うたさん。ピンクがよく似合う。TGS2019に緊張して朝9時に起床。忙しくて朝ごはんは食べておらず。じゃんけん対決では、こちらが「パーを出します」と宣言すると一瞬「えっ」と困っていたが、珠根さんがチョキを出して勝利(写真:木村輝)
珠根うたさん。ピンクがよく似合う。TGS2019に緊張して朝9時に起床。忙しくて朝ごはんは食べておらず。じゃんけん対決では、こちらが「パーを出します」と宣言すると一瞬「えっ」と困っていたが、珠根さんがチョキを出して勝利(写真:木村輝)
一文字マヤさん。9月14日は朝9時半起き。この日の朝ごはんは「目玉焼きにサラミを載せたもの」と「たい焼き」。女性ファンに「自撮りアプリなら「Ulike(ユーライク)」が一番盛れる!」と話していた。西武ライオンズファンでありながら、横浜DeNAベイスターズの筒香選手がバットを振る様子を真似してくれた(写真:志田彩香)
一文字マヤさん。9月14日は朝9時半起き。この日の朝ごはんは「目玉焼きにサラミを載せたもの」と「たい焼き」。女性ファンに「自撮りアプリなら「Ulike(ユーライク)」が一番盛れる!」と話していた。西武ライオンズファンでありながら、横浜DeNAベイスターズの筒香選手がバットを振る様子を真似してくれた(写真:志田彩香)

「アイコンじゃないファンに会えた」

 ファンの年代は10代から20代前半が多く、女性ファンの比率も高い。「マヤちゃんの衣装をデザインしました」とバンタンゲームアカデミーの学生も話しかけ、一文字さんと周囲の一般来場者から拍手が起こると飛び跳ねてよろこんでいた。

 一文字マヤさんに「お話し会」の感想を質問すると、「いつもツイッターや動画の生配信でファンが応援してくれるとき、私たちが見る“ファンの姿”はアイコンなんです。今回、はじめてみんなの全身を見ることができて、すごくうれしい」と身振り手振りを交えながら笑顔で答えてくれた。

(文/花森リド、写真/木村輝、志田彩香、写真提供/スクウェア・エニックス)

関連リンク
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