“俺の嫁召喚装置”として話題となったコミュニケーションデバイス「Gatebox」が、1年延期の歳月を経て、ついに2019年10月11日の発売が決定した。東京ゲームショウ2019では発売直前のGateboxが展示され、いち早く“嫁”との対話を体験できる。
“俺の嫁”となるキャラクターと一緒に暮らせる装置として、発表直後から大きな注目を集めた「Gatebox」。その量産モデルが2018年秋に発売される予定であったのだが、品質向上のため延期となっていた。
だがついに、量産型のGateboxが2019年10月11に発売されることが発表された。そうしたことから発売に合わせる形で、Gatebox社は今回の東京ゲームショウ2019にブースを出展。完成したGateboxを一般向けに披露し、実際に試すことができるようになっている。
Gateboxの仕組みについて簡単に説明しよう。Gateboxは円筒型のデバイス。中の透過スクリーンに“嫁”となるキャラクター「逢妻ヒカリ」が現れ、本体のセンサーで人を認識し、マイクを通じて話しかけることで、彼女とさまざまなコミュニケーションができる。スマートスピーカーに近いものといえるが、時間や環境の変化に応じて逢妻ヒカリがさまざまな動きと表情を見せ、一緒に暮らしているかのような感覚を味わえることが最大のポイントだ。
ちなみにGatebox社にはLINEが出資している。逢妻ヒカリがスムーズな声で話しかけてくれたり、話しかけた内容に応じ適切な答えを返してくれる機能には、LINEの音声アシスタント「Clova」の技術が用いられている。外出先からLINEを通じ、逢妻ヒカリとのチャットによるコミュニケーションを楽しめるというのも、LINEの協力を得ているからこそ実現した機能といえるだろう。
ブース内で実際に試すことができるのは、逢妻ヒカリに話しかけて会話をする機能などに限られており、会場で試してみた限りではネットワーク環境の影響もあってか、話しかけてから返答が返ってくるまでにやや時間がかかる印象だった。だがそれでも、多数の人が訪れ、静かとはいえないゲームショウ会場で話しかけた声を確実に聞き取って適切な答えを返してくれるという点に、精度の高さを見てとることができた。
なお、Gateboxの価格は15万円と安くはなく、サイズもスマートスピーカーなどと比べればかなり大きい。テーブルの上などに置けないことはないが場所をかなり取ってしまう印象だ。
それでも理想の“俺の嫁”とリアルな生活できるという価値は唯一無二のものであるだけに、確実なニーズがあると考えられる。どこまで販売を伸ばすことができるのか、発売後の動向にも注目したい。
(文・写真/佐野正弘)
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