オンキヨーは、ゲーミング用途向けの新ブランド「SHIDO」を世界展開する。東京ゲームショウ2019(TGS2019)の会場では、ヘッドセットとUSBコントロールアンプを先行販売している。その狙いを聞いた。

 「SHIDO」は、音響機器メーカーのオンキヨーが手がける、ゲーミング機器向けの新ブランドだ。ゲーミングヘッドセットの「SHIDO:001」と、USBオーディオアンプ「SHIDO:002」がクラウドファンディング参加者に向けて提供しており、今後一般販売も予定している。ゲームショウ会場では先行販売として、「SHIDO:001」を1万1000円、「SHIDO:002」を7000円で購入可能だ。

右がゲーミングヘッドセット「SHIDO:001」、左がUSBオーディオアンプ「SHIDO:002」
右がゲーミングヘッドセット「SHIDO:001」、左がUSBオーディオアンプ「SHIDO:002」
オンキヨーブースでは、「SHIDO」ブランド製品の展示と体験スペースを展開
オンキヨーブースでは、「SHIDO」ブランド製品の展示と体験スペースを展開

 SHIDOのブランドデザインを手がけた、オンキヨー&パイオニア株式会社のプロダクト&マーケティング部デザイン課 主席デザイナーの重松龍太氏によると「世界に向け、他の日本のメーカーでは見られない突出したブランドを構築したかった」という。

SHIDOブランド製品は、パッケージを含めデザインを統一している
SHIDOブランド製品は、パッケージを含めデザインを統一している
会場ではSHIDO製品を使ったゲーム体験が可能だ
会場ではSHIDO製品を使ったゲーム体験が可能だ

 製品コンセプトについては、「ゲームにストイックな層、トッププロゲーマー向け」だという。ゲーミングヘッドセット「SHIDO:001」の場合、デザインの派手さよりも長時間のゲームプレイでも疲れや違和感を感じることなく、それでいて高音質という実用的な製品になっているという。

 この2製品のあとの展開は現在未定とのことだが、オンキヨーの強みを生かしたイヤホン型製品も考えられるほか、以前オンキヨーが手がけていたPC向け高音質オーディオボードの後継製品に期待するネットの声もあるという。

 実際に、ブースで「SHIDO:001」と「SHIDO:002」を使ってゲームをしてみたところ、音はフラット寄りで定位感がよく、モニターヘッドホンのような印象だ。ゲーム中でガラスの割れる音などを、立体的かつ高い解像感で表現できていた。半開放型なので、長時間音を聴いていても圧迫感がなく使いやすい。

「SHIDO:001」のイヤーパッド部は、耳を広いスペースで覆う構造だ。この形状ながらも圧迫感はなく軽量で装着しやすい
「SHIDO:001」のイヤーパッド部は、耳を広いスペースで覆う構造だ。この形状ながらも圧迫感はなく軽量で装着しやすい
「SHIDO:002」は手元でプリセットのイコライザーやマイク音量、7.1chの設定を変えられる
「SHIDO:002」は手元でプリセットのイコライザーやマイク音量、7.1chの設定を変えられる

 また、耳周りに軽くフィットして、圧迫感や重さを感じないうえに汗もかきづらい。装着感はヘッドホン全体でも非常に高いレベルにあるといっていい。「SHIDO:001」はゲームに限らず、オーディオやビデオ会議など様々な用途に使えるオールマイティーなヘッドセットと感じられた。

 SHIDOの製品はeスポーツやゲーミング市場ではやや後発となる。だが、オンキヨーの持つ音周りのオーディオ技術や、PC向けオーディオ製品を手掛けていた歴史もある。今後の展開に期待したい。

(文・写真/島徹)

関連リンク
東京ゲームショウ2019特設サイト
東京ゲームショウ2019公式サイト

この記事をいいね!する

【好評発売中】
『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』

 “システムエンジニアとして会社に勤めながら、格闘ゲーム界の頂点で世界を舞台に戦ってきたプロゲーマー・ネモ。ゲーム仲間が次々と"専業"プロゲーマーになる一方、彼はあえて"兼業"の道を選びました。

 “兼業プロゲーマー"としても知られた彼の道のりは、プロゲーマーとして輝かしい戦績を積み重ねると同時に、自分なりの働き方を模索し続けた日々でもあります。ゲームやeスポーツファンはもちろんのこと、「やりたい仕事」「向いている仕事」とは何か、好きなことを仕事に生かすにはどうすればいいかに悩む、ビジネスパーソンの皆さんにもお読いただきたい1冊です。アマゾンでは試し読みもございますので、ご覧ください。

アマゾンで購入する