ガラケー時代から続くモバイルソーシャルゲームのタイトルが今も元気だ。グリーの『探検ドリランド』は開始当初のドリルで穴を掘るというコンセプトが復活。『釣り★スタ』はマルチデバイス展開でファンを拡大する。東京ゲームショウ2019の会場で、グリーの担当者に聞いた。
ガラケー時代に生まれたメガヒットゲームといえば、代表例は2008年にグリーが配信スタートした『探検ドリランド』。配信開始当初は、架空の島「ドリランド島」に眠る財宝をドリルで穴を掘って探索するゲームであった。
11年からカードを使い、ダンジョンを探検して、財宝やカードを発掘したり、モンスターとの戦闘する現在のスタイルに変更。しかし、手軽に遊べる仕様は引き継がれ、ファンを減らすことなく、マイナーチェンジを繰り返し現在に至る。
そんな懐かしのタイトルが10年ぶりに配信当初のドリルで穴を掘るギミックが復活。まだ、詳細は明らかにされていないが、往年のファン感涙の内容になることは想像に難くない。
一方、世界初のモバイルソーシャルゲームとされる『釣り★スタ』は、誰もがルールを知っている“釣り”という題材をシンプルに楽しめるゲームとして、リリース後、順調にユーザー数を伸ばし、現在もグリーの主力タイトルである。
SNSのベンチャー企業としてスタートしたグリーの飛躍の礎ともなった『釣り★スタ』のロングヒットの理由は、「ファンを驚かせ、飽きさせない工夫とメインターゲットのシニア世代を意識したコラボ、マルチデバイス展開とゲーム運営力」と語るのは、マーケティンググループ シニア・マネージャーの馬場貴之氏だ。

基本的なコンセプト、ゲームデザインはそのままに、スマホ対応の『釣り★スタ』(iOS /Android)、グーグルが開発するVR技術「Daydream」に対応したVRゲーム『釣り★スタVR』、Nintendo Switchの『釣りスタ ワールドツアー』と、マルチデバイスで展開した。パロディー漫画・アニメ「北斗の拳 イチゴ味」とのコラボで、初めての“人面魚”として“サウザー顔”の魚や“ハート様”のタコなども実装。“長寿つながり”で「こちら葛飾区亀有公園前派出所」や「マジンガーZ」とのコラボでは、右腕がカジキになった限定フィギュアも話題になった。

「運営力の強化という点においては、プロデューサーは、一人に長期間任せず、常に若手を起用し世代交代させます。現在は8代目」と馬場氏。豊富なノウハウや知見を引き継ぐとともに、常に新しい感覚を取り入れブラッシュアップしてきた。ガラケーからスマホへの転換期に収益を落とした過去はあるが、ソーシャルゲームの市場を切り開いてきた高い技術力と運営力が生み出すコンテンツは、今後も支持され続けるだろう。
(文・写真/永浜敬子)
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