スパイク・チュンソフトは、今回オープンワールドRPG『サイバーパンク2077』を出展している。ブース全体が壁に覆われた特設シアターになっており、開発者による解説付きの実機デモプレーが45分間に渡って上演されている。外からは中の様子が見えず、撮影も禁止。実際に見てみると、これが最適な表現方法だと分かった。
東京ゲームショウ2019のホール8に『サイバーパンク2077』のブースがある。ここはスパイク・チュンソフトが出展しているブースではあるが、マップに社名は載っておらず、ゲームタイトルのみが記載されている。ブースの外観も『サイバーパンク2077』のキービジュアルのみで構成された巨大な特設シアターだ。試遊展示ではなく、この特設シアターで開発者による実機デモプレーを上演する展示スタイルを取っている。CERO Z相当の描写を含むため、18歳未満の観覧はできない。こういった事情もあるため、壁で覆った特設シアターなのだろう。2020年4月16日に発売されるこのオープンワールドRPGの特徴と、45分間のデモプレーの内容がどんなものであったかを伝えたい。
巨大な未来都市で自分らしくサバイブ
『サイバーパンク2077』は未来の巨大都市ナイトシティを舞台にしたオープンワールドRPGだ。「オープンワールド」とはゲーム中の世界を自由に動き回って攻略を楽しめる自由度の高いゲームを指す。本作では、“巨大都市ナイトシティ”が丸ごとゲームの舞台となっている。見知らぬ未来都市だが、どことなく香港や東京やNYを想起させる。プレーヤーは、巨大都市ナイトシティで「サイバーパンク」と呼ばれる職業の若者“V(ヴィー)”としてゲームをプレーをする。
実機デモプレーはゲーム中盤から始まったが、今回は特別にキャラクターの性別や外見を選ぶキャラメイクも実演された。社会階層、性別、顔立ち、目や肌の色を自由に選べる。こういったキャラメイクそのものは目新しい機能ではないが、『サイバーパンク2077』ではなんとプレーヤーが決めた外見がゲームの進行に関わると言うのだ。キャラメイク画面には「ナイトシティでは外見がすベて」といった言葉が表示されていた。どうも文字通りの意味らしい。
数えきれないほどの分岐
主人公Vのビジュアルを設定した後は、街での探索が始まる。探索したエリアはハイチ人が多く暮らす場所で、彼らの話すクレオール語があちこちから聞こえる。異国を歩く心細い気持ちになる。言っている意味は全くわからないが、画面上に日本語訳が表示される。字幕の文字が一瞬崩れる演出が度々入るのだが、これは「リアルタイムで翻訳して字幕表示している」演出だ。
会話の分岐が複数用意されている上に、先に述べたキャラメイクの影響で出現する選択肢もある。どの選択肢も胡散臭い。誰を信用していいのかわからないディストピアそのものだ。気が遠くなる。
残酷だが目が離せない戦闘シーン
街なかでの会話イベントに加え、戦闘のデモプレーも丁寧に上映された。ここでもプレーヤーの手に委ねられている部分が多く、キャラメイクの外見や特性によって戦闘の展開が変わる。真正面から突入することも、ステルス戦を繰り広げることも可能だ。殺さない選択肢も選べる。そして、殺す場合はかなり残酷なことができる。敵に向かって銃撃を繰り返すと手足や首などの人体のパーツがバラバラになるのだ。こういった残酷な表現があるため本作はCERO Z相当のゲームになると予想されている。冷房がとても効いたシアターだったが、血が騒いだ。
何かと登場する“キアヌ・リーブス”
本作で話題になっているのが映画俳優のキアヌ・リーブスさんだ。ビジネスデイ前日にTGS2019にも来場し、ブースにサインを残していった。彼は本作の主要キャラクター“ジョニー・シルバーハンド”を演じた。外見と音声収録、そしてモーションキャプチャーを用いた全身モデルをゲームに提供しているという。ジョニーはデジタルゴーストとしてプレーヤーの目の前に度々登場する。「サムライというバンドのボーカルで、音楽を使って人々を扇動する存在」らしい。外見は現実のニュースなどで見かけるキアヌ・リーブスさんそのままだ。ワイルドで大変男前である。眼福だ。
怪しげなネオンと煙が立ち込める未来の巨大都市と、キャラメイクや装備での自己表現と、数えきれないストーリー分岐と激しい戦闘。そして重要なシーンで何度も現れてはこちらに語りかけてくるキアヌ・リーブスさん。大満足の45分間だった。唯一無二のゲーム体験が待っているだろう。デモプレー観覧後は「限定のおみやげ」も配布されるので、興味のある大人はぜひ足を運んでほしい。
(文/花森リド、写真提供=スパイク・チュンソフト)
関連リンク
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