健康機器大手のタニタ(東京・板橋)が主体となり、クラウドファンディングで資金調達したセガのロボット対戦ゲーム『バーチャロン』向けコントローラー「ツインスティック」の量産品が東京ゲームショウ2019でお目見えした。開発・設計で関わる三和電子ブースで公開している。
三和電子ブースでは、タニタ発のクラウドファンディング企画で開発・設計に携わっている、セガ『バーチャロン』シリーズ向けのPlayStation 4用コントローラー「VCD-18-c 18式コントロールデバイス ツインスティック」の量産品を展示している。一般公開は初めて。
セガ『バーチャロン』シリーズ向けコントローラーの、クラウドファンディングのあらましを説明すると、当初は計測機器メーカーとして知られるタニタの谷田千里社長が同シリーズのファンということが発端となり企画されたものだ。
当初は、タニタがクラウドファンディングにより最新作「とある魔術の電脳戦機」向けコントローラーを開発するとして、一度目のクラウドファンディングによる2億7700万円の資金調達が実施され、出資金額未達として失敗している。
その後、セガや三和電子、トラスティーといった各社の協力を得て、企画や設計、出資規模を見直した新プロジェクトを開始。二度目以降のクラウドファンディングでは総額1億2639万の資金調達に成功した。2019年11月に最初の量産品が出荷される見込みだ。
セガゲームスは9月13日、同社ステージで過去3作を収録した『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』を11月27日に発売すると発表した。もちろん、この「VCD-18-c 18式コントロールデバイス ツインスティック」を利用できる。
三和電子の展示コーナーでは、タニタやセガの担当者も立ち会い、クラウドファンディング出資者などのファンの反応を確認していた。
eスポーツやネット対応タイトルが注目されがちな東京ゲームショウだが、過去タイトルの根強いファンも集まる。ネットを活用し、過去の名作をよみがえらせる。そんな動きもまた新しいゲーム文化といえそうだ。
(文・写真/島徹)
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