5Gの特性を生かしたゲームプレーを実現
これらのサービスを支えるのがNTTドコモが会場に構築した5Gネットワーク。会場の2カ所に5Gの基地局が設置されており、そこから会場内の端末に接続することで、5Gの高速大容量・低遅延・多接続といった特性を生かしたゲームプレーを実現しているという。
今回の5Gネットワークで特筆すべき要素の1つは、試験用の周波数帯ではなく、19年4月にNTTドコモに割り当てられた、商用サービスと同じ5Gの周波数帯を使っていること。ちなみに使用しているのは3.7GHz帯と4.5GHz帯とのことだ。
そしてもう1つは、4Gの設備を用いながら5Gのサービスを提供するノンスタンドアローン(NSA)仕様での運用ではなく、5Gの設備のみを用いたスタンドアローン(SA)仕様での運用になること。NTTドコモの商用サービス開始当初はNSAでの運用となるが、NSAでは低遅延など5Gのメリットをフルに発揮することができない。そこで今回は、低遅延など5Gのメリットを最大限に生かせるようSA仕様でネットワークを構築しており、20年より先の5Gネットワーク環境を実現しているのだ。
なお今回の5G環境で同時接続できる端末数は、ゲームによって異なるとのこと。関係者にその理由を確認したところ、そもそもゲームによって同時参加できる人数の違いがあることに加え、ボイスチャットなどゲーム以外にもネットワークを用いているゲームは、通信量が増えることから接続できる数が減るとのことだ。
例えばPUBG MOBILEは80人、フォートナイトは100人の同時プレーが可能だが、今回のネットワークでもそれだけの端末数を同時接続すること自体は可能だという。だが実際のeスポーツ大会ではプレーへの影響を考慮し、5Gで接続しているスマホは一部に限定しているとのこと。だがSA運用の5Gによるサービスを体験できる機会はあまりないだけに、将来の5Gの実力を知る上でも貴重な機会となっていることは確かだろう。
(文/佐野正弘、写真/酒井康治、島徹)
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