自宅にいながら、フィットネスバイクのレッスンに参加ーー。インターネットを使ってフィットネスの新たな可能性を作りだす「コネクティッド・フィットネス」。オンラインで行うフィットネスバイクレッスンの有料化に踏み出したのが、ジム大手の東急スポーツオアシス(東京・渋谷)だ。その狙いとは?
東急オアシスのスマートフォンを使ってスタジオプログラムが受講できるサービス「WEBGYM LIVE(ウェブジム ライブ)」は、2019年1月にスタート。同サービスは東急オアシスのスタジオで行われているフィットネスバイクのプログラムを、リアルタイムで配信。受講者は自宅でスタジオさながらの臨場感あふれるレッスンを体験できる。レッスン内容は初心者向けやシェイプアップ目的、音楽に合わせたダンス形式のものなど、複数のプログラムから自由に選べる。レッスン時間に都合がつかない場合はオンデマンド配信での受講も可能だ。受講するためにはフィットネスバイクが必要で、月額1950円(税込み)の受講料もかかる。一体どんな人をターゲットにしているのか。
業界の悩みは「退会率の高さ」
同社が狙うのは、フィットネスクラブの退会者だ。健康志向の高まりで、ここ数年フィットネスクラブの入会者数は増加し続けている。その一方で、経営側を悩ませているのが退会率の高さだ。「業界全体の退会率は月平均3%」と東急スポーツオアシス ホームフィットネス事業本部ゼネラル マネージャーの竹尾賢二氏は話す。さらに「多いところでは月平均4%を超える。年間にすると、退会率は40〜50%にも上る」(竹尾氏)。つまり、1年間で会員の半分が入れ替わるという計算だ。
仕事やライフステージの変化で物理的に通えなくなって退会するパターンも多い。そうした事情で運動をやめてしまった人たちに、なんとかしてアプローチしたい。そこで思いついたのが、自宅でのエクササイズ習慣をサポートするスマートフォンアプリ。ウェブジム ライブに先駆けてスタートした「WEBGYM」(以下、ウェブジム)だ。
17年1月にリリースしたウェブジムは3分程度の筋トレや10分程度のヨガ、ピラティスなど、1200種類以上のエクササイズを動画で配信している。ナイキの「Nike Training Club」、睡眠時間や体重などの健康管理もできる「FiNC(フィンク)」など、無料のエクササイズアプリは以前からあった。ウェブジムの特徴は、テレビを見ながらのストレッチや通勤中に電車内でできるエクササイズを多数ラインアップし、「ながら運動」を提唱している点だ。
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