広告メディアの次世代型モデル「AaaS(Advertising as a Service、アース)」に取り組む博報堂DYメディアパートナーズ(東京・港)。矢嶋弘毅社長へのインタビュー後編では、AaaSで広告市場がどう変わるのか、そして今後のAaaSの拡大に向けた戦略などについて話を聞いた。(聞き手は日経クロストレンド編集長・吾妻拓)

博報堂DYメディアパートナーズ社長の矢嶋弘毅氏。1984年一橋大学社会学部卒業後、博報堂入社。96年デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム社長、2011年博報堂DYメディアパートナーズ取締役を兼務、16年D.A.コンソーシアムホールディングスの設立に伴い会長に就任。17年現職に就任。20年博報堂DYホールディングス副社長を兼務
博報堂DYメディアパートナーズ社長の矢嶋弘毅氏。1984年一橋大学社会学部卒業後、博報堂入社。96年デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム社長、2011年博報堂DYメディアパートナーズ取締役を兼務、16年D.A.コンソーシアムホールディングスの設立に伴い会長に就任。17年現職に就任。20年博報堂DYホールディングス副社長を兼務
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規模や実績の面でもAaaSは容易にまねできない

編集長・吾妻 拓(以下、吾妻) AaaSは今、何社くらいに導入されているのでしょうか。

矢嶋 弘毅氏(以下、矢嶋氏) 10社くらいと導入を進めています。業種は消費財から耐久財、食品、トイレタリーなど幅広いですね。

吾妻 AaaSを販売する上で注力していることはありますか?

矢嶋氏 テレビやデジタルの広告キャンペーンを担当しているプランナーに使ってもらうというのが基本で、現在、博報堂や大広、読売広告社と一緒に販売を進めています。まずは広告会社と一緒にクライアントに説明しながら使ってもらいつつ、将来的にはより幅広いサービスを展開して販売を拡大していかないといけませんし、そのためのマーケティング戦略を考えているところです。

吾妻 AaaSと同じような仕組みは、他社にも実現できるものなのでしょうか。

矢嶋氏 AaaSでは発注した広告がどのような枠に打たれていて、誰に当たっているのかというトランザクションデータをデジタル、テレビなどで一元管理できることが重要で、そのための統合データウエアハウスを構築しています。テレビとデジタルを合わせて一定量のトランザクションがないとデータウエアハウスを作れないので、素直に言えば、弊社以外で日本でできる可能性があるとするなら、電通などの大きな広告会社が中心になって進める場合ではないかと思います。

 結果として、弊社は先行的にAaaSに投資をして開発を進めています。AaaSに付随するアルゴリズムやAI(人工知能)の活用などの実績を持っているのは、弊社が日本で唯一ではないかと思っています。

幅広い目的の広告に対応できる点が競合との違い

吾妻 2020年7月にGunosyと、テレビCMを最適化するSaaSのプラットフォーム「Guhack」を提供しています。こちらとAaaSの違いはどこにあるのでしょう?