サステナビリティーをブランドメッセージに位置付けるP&Gの「SK-II」。後編は、新型コロナ感染症へのビジネス面での対応やテクノロジー活用について。SK-IIのサンディープ・セスCEOは、人を大切にし社会に貢献する企業やブランドが生き延びると話す。(聞き手は日経クロストレンド編集長の吾妻拓)

SK-II CEOのサンディープ・セス氏は、今後人や社会を大切にするブランドが生き延びると話す
SK-II CEOのサンディープ・セス氏は、今後人や社会を大切にするブランドが生き延びると話す

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コロナ禍をリアクト、リスポンド、リエマージで乗り切る

編集長・吾妻拓(以下、吾妻) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、多くの業界で売り上げが落ち込んでいます。高級スキンケアブランドであるSK-IIはどうでしょうか。

SK-II CEO サンディープ・セス氏(以下、セス氏) SK-IIブランドも新型コロナの影響を受けました。悪い影響ばかりではなく、中国での商品の売れ行きは、比較的早いリカバリーの傾向にあります。

吾妻 そのような状況下で、今後のSK-IIのセールスについては、どのように考えているのでしょうか。

セス氏 私たちはただ商品を売るだけの企業ではなく、「人を大切にし、社会に貢献したい」と考えています。よって、例えば売り上げのために割引のメッセージを送るだけでは、お客様に共感してもらうことができないと思っています。今、お客様は「人を大切にするブランドかどうか」という視点でも注目していると感じます。社会に貢献していける企業こそが、生き延びられるのではないかと思っています。

吾妻 新型コロナによる危機的状況に対して、どう対応しようとしていますか。

セス氏 私たちはこれまで、さまざまな危機に直面したときに自社で得た調査結果や資料のデータを蓄積してきました。そこには2008年のリーマン・ショックによる金融危機や、11年の東日本大震災のときの記録も含まれています。それらをもとに危機に直面したとき、3つの大切なことがあると学んできました。どのようにしてリアクト(React)し、リスポンド(Respond)し、リエマージ(Re-emerge)すべきか、言い換えるなら、危機にどう反応し、対応し、そして、いかに再構築していくか。今回の新型コロナウイルスによる困難な状況に対しても、過去の経験を生かしながら、リアクト、リスポンド、リエマージにしっかり取り組んでいきたいと思っています。

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