P&Gの高級スキンケアブランド「SK-II」は、SDGs(持続可能な開発目標)を意識したプロジェクトを活発化させている。2020年8月には竹の素材のバンブーパッケージを使ったトライアルキットを発売するほか、テクノロジー活用も積極的に進める。SK-IIブランドリーダーの3人に前後編の2回にわたって聞く。前編はサステナビリティーへの取り組みについてまとめた。(聞き手は日経クロストレンド編集長、吾妻拓)
バンブーパッケージで環境問題を解決
編集長・吾妻 拓(以下、吾妻) SK-IIでは、商品パッケージや包装紙をサステナブルなものにする取り組みを始めるそうですね。
SK-II CEO サンディープ・セス氏(以下、セス氏) そうです。FSC(森林管理協議会)の認証を受けた、環境に配慮した竹材から得られる木材を使い、SK-IIの人気商品である「ファースト エクスペリエンスキット」(税込み9900円)のパッケージを作る取り組みを進めています。SK-IIでは、「環境面での取り組み」と「社会的な取り組み」の2つの面でサステナビリティー関連のプログラムをいくつか進めています。環境面での取り組みの1つがパッケージの変更です。
吾妻 具体的には?
SK-II リサーチ&ディベロプメント・リーダー エンリコ・ペリーロ(以下、ペリーロ氏) 20年8月5日から、バンブーバルブから作ったSK-IIトライアルキットを皆様にお届けする予定です。バンブーは、包装紙の原料となる木材よりも成長が早く、再生力もあるので、木材資源の保全ができると考えました。これらで作るパッケージは、私たちの製品の中でも厳選したものを使いたいと考えています。今回のトライアルキットのサステナブルなパッケージから学べることが、たくさんあると考えています。
吾妻 今後はSK-IIすべての商品パッケージをサステナブルなものと入れ替えるのでしょうか。
ペリーロ氏 トライアルキットがSK-II商品の中で一番の売れ筋なので、この取り組みをパイロットとして、顧客はどのように受け取るのか、サプライチェーンにはどんな影響を及ぼすのかなどについて、どんどん学んでいき、今後のサステナビリティーの取り組みに生かしたいと思っています。また、ボトルやキャップについても、順次サステナブルなものに変えていきたいと思っています。
さまざまな業界を横断するプロジェクトとして、ボトルの回収にも取り組みます。日本の小売業界と連携しながら、使い切ったあとのスキンケアボトルをお店に持ってきてもらうことで、ボトルをリサイクルしたいと考えています。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー