トヨタ車のサブスクリプションサービスを手掛けるKINTO。トヨタグループと住友グループの各社が株主で、事業スピードを重視し、構想から1年でサービスインした。その誕生から現状、今後の取り組みまで、同社副社長執行役員の本條聡氏が「日経クロストレンドEXPO 2019」で語る。KINTOが描くのは、クルマのサブスクにとどまらず、異業種とのコラボや様々な移動の包含、グローバル展開をも見据えた未来像だ。
2019年にサービスを開始した、トヨタ車のサブスクリプションサービス「KINTO」(関連記事:トヨタが「KINTO」の開始を迫られた3つの理由 僅か1年で事業化)。その位置付けについて、KINTO副社長執行役員の本條聡氏は、「購入やシェアリングと並ぶ、クルマに乗るための選択肢を増やした。『所有から利用へ』という動きは、あらゆる業界に押し寄せており、自動車業界も例外ではない」と言う。
トヨタ自動車の豊田章男社長は18年、「トヨタを『自動車をつくる会社』から、『モビリティカンパニー』にモデルチェンジすることを決断しました」と宣言。それを実行に移す形で、ソフトバンクとトヨタの共同出資会社「MONET Technologies」や、トヨタグループと住友グループの各社によるジョイントベンチャーKINTOが立ち上がった。
KINTOでは、サブスクリプションサービスという選択肢の提供により、クルマ離れが進む若年層の開拓を狙う。KINTOは任意保険を含めた定額料金のため、クルマに初めて乗るユーザーなど、保険の等級が低い場合には価格競争力が武器になる。また、「クルマの性能が上がり、長年乗れるようになった結果、新車の買い替えサイクルが長期化。安全性能など、買い替える価値のある進化の提供機会を逸してしまっている」(本條氏)と話す。
サービスへの入りやすさや休止のしやすさ、高齢者による事故抑制など、3年サイクルで新車に乗る利点や社会的な意義を訴えていきたい考えだ。
またKINTOにとって、サブスクリプションサービスは第一歩にすぎないという。今後は異業種とコラボレーションして様々なモビリティサービスへと拡大、シームレスな移動に貢献したいという。さらに、こうした取り組みをグローバルに広げる準備も始めている。これらの点についても、「日経クロストレンドEXPO 2019」で語ってもらう。
「ヒト、モノ、家、店舗のデジタル化によって生まれる新しいビジネスが分かる3日間」と題し、様々なセミナーや展示イベントを開催。事前登録者は聴講無料です。KINTO副社長執行役員の本條聡氏が、3日目の10月11日(金)10時30分~11時10分のキーノートに登壇。サービスの現状と今後、モビリティサービスの未来について解説します。公式サイトからお早めにお申し込みください。
日時:2019年10月9日(水)~11日(金) 10時~17時30分(開場 9時30分)
会場:東京ビッグサイト 西ホール
入場料:登録無料(事前登録で3000円の入場料が無料になります)
キーノート:10月11日(金)10時30分~11時10分 「KINTOが描く未来のモビリティサービス ~トヨタのサブスクリプションから~」
【お申し込みは公式サイトから】
(写真/古立康三)