優勝は常勝無敗のLibalent Vertex

 試合に使われた「GUNFIGHT」というモードは2ラウンドごとに全員の武器セットがランダムで変化するところがユニークな点。威力の低さや反動の大きさから試合ではあまり選ばれないマイナーな武器を使わざるをえないケースも多発する。武器ごとの特性の違いをしっかり把握していないと勝つのは難しい。しかも今回の大会は前日に公開されたばかりのオープンベータを用いていたわけだが、そこはさすがに日本のトッププレーヤーたち。洗練された動きで緊迫感あふれる試合を展開していった。

 決勝戦ではAttach選手のいるスペシャルチームに勝利し、見事、優勝を果たしたのは、Libalent Vertex。昨年のプロリーグで2位を獲得。さらにリーグ1位だったDetonatioN GamingをTGS2018会場で行われたグランドファイナルで破って日本最強の座を得たチームだ。つまりこれでLibalent VertexはTGSで二連覇を果たしたことになる。

 実は昨年のグランドファイナル以降、CoDのプロチームでは選手の移籍や引退が相次いだ。なかでもリーグを制したDetnatioN Gamingの主要メンバーがLibalent Vertexへ移籍したことは大きな話題となった。他を寄せ付けずにリーグを制した覇者と、日本最強、その2チームがひとつに融合したのが現在のLibalent Vertexというチームなのである。

 実際にLibalent Vertexの戦績は凄まじい。『CoD BO4』で争われた全4回の「CWL日本代表決定戦」すべてに優勝を遂げ、さらにそれに参加した全223チームから選出された上位4チームで争われた「日本最強決定戦」でも優勝と、すべての大会で優勝しているのだ。ゲームも違えばルールも違うエキシビションマッチとはいえ、当然、今回のスペシャルマッチでも大本命。

 今回のスペシャルマッチでは言ってみればその本命が順当に勝つ結果に終わったわけだ。しかし、「日本一格闘攻撃が速い男」の異名を持つDuffle選手が面目躍如とばかりに格闘攻撃でキルを稼いだり、sitimentyo選手が投げナイフで連続キルを見せたと思いきや、それがボタンの設定ミスからであることが判明した瞬間など、観客で埋め尽くされた会場は何度も大歓声に包まれた。

 また、世界屈指の選手であることを証明するかのようにエイミングの正確性、判断の的確さを見せつけたAttach選手のプレーも素晴らしく、詰めかけた観客も非常に高い満足感が得られたのではないだろうか。

 発売前のゲームの新要素を、プロたちの戦いを通じて見せる。今回のスペシャルマッチは新作ゲームのプロモーションとして、既存の『CoD』プレーヤーに対して強力なアピールとなったはずだ。

狭いマップで繰り広げられる2対2の攻防。2ラウンドごとにランダムで武器が変わることで状況に変化を生みつつもテンポよく展開する「GUNFIGHT」は、初心者にも展開がわかりやすく、見ていて飽きない
狭いマップで繰り広げられる2対2の攻防。2ラウンドごとにランダムで武器が変わることで状況に変化を生みつつもテンポよく展開する「GUNFIGHT」は、初心者にも展開がわかりやすく、見ていて飽きない
全4試合で争われたスペシャルマッチは、Libalent Vertexの勝利に終わった。「CWL日本代表決定戦」と「日本最強決定戦」、さらにこのスペシャルマッチと、6つの優勝。来年はこのチームを脅かす存在が出てくるのだろうか?
全4試合で争われたスペシャルマッチは、Libalent Vertexの勝利に終わった。「CWL日本代表決定戦」と「日本最強決定戦」、さらにこのスペシャルマッチと、6つの優勝。来年はこのチームを脅かす存在が出てくるのだろうか?

 大会後のトップ2チームの選手コメントは以下の通り。

■準優勝:スペシャルチーム
GreedZz選手 世界的に活躍するAttach選手といっしょにプレーすることに緊張しました。試合中は英語でしゃべっていたので、プレーよりも英語を話すことで脳ミソが疲れてしまいました。でもとても楽しかったです。戦略的なことを事前に話し合ったりはしていません。最初の試合はシンプルな英語で通していたのですが、Attach選手が熱くなるに従って細かい戦略を指示するようになっていきました。

Attach選手 観客の皆さんから伝わってくる熱気などもすごく、いい環境のなかで楽しく『CoD』がプレーできました。日本のプレーヤーは、すごく上手いと思います。まだ新しい「GUNFIGHT」というモードをじっくり遊びこんでいる感じがしましたし、プレーの精度を含めた実力もしっかりあるので、これから世界のシーンでインパクトを残していくようになるのではないでしょうか。

■優勝:Libalent Vertex
sitimentyo選手 『CoD MW』はプレー感覚が以前のゲームに近く、「昔ながらの『CoD』」に戻った感じがして、楽しくプレーできています。今回の優勝は『CoD MW』の製品版につながるいいスタートが切れたのかな、と思います。CWLの挑戦を続けているなかで、海外とのレベルは縮まってきてはいると思います。ただ、今回対戦させていただいて、個人の力の差も実感できたので、これからその差をもっと縮めていけるように頑張りたいと思います。

xAxSy-選手 sitimentyo選手が言うように、『CoD MW』は昔のシリーズ作品に近いプレー感覚が味わえます。「昔はプレーしていたけど今はやめてしまった」といったプレーヤーにも遊んでいただきたい作品です。今回の大会を通じてこれだけたくさんの人にゲームのよさが伝わったのはよかったと思います。今回は2対2でAttach選手と戦いましたが、個人の強さと連携の巧さを感じました。これから海外との差をもっと縮めていけるように頑張ります。

優勝賞品のチャンピオンリングを指にはめ、ポーズを決めるLibalent Vertexの2人。左がsitimentyo選手、右がxAxSy-選手
優勝賞品のチャンピオンリングを指にはめ、ポーズを決めるLibalent Vertexの2人。左がsitimentyo選手、右がxAxSy-選手

(文・写真/稲垣宗彦=スタジオベントスタッフ)

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