マルチプラットフォームで配信され世界一の売上を記録したVRミステリーアドベンチャーゲーム『東京クロノス』。その新プロジェクトが東京ゲームショウ2019で発表された。

桃野夕役の声優・木戸衣吹さんと『東京クロノス』総合プロデューサー岸上健人氏の登壇からステージがスタートした
桃野夕役の声優・木戸衣吹さんと『東京クロノス』総合プロデューサー岸上健人氏の登壇からステージがスタートした

 クラウドファンディング(CAMPFIRE、Kickstarter)で、約1800万円を集め話題を呼んだVRミステリーアドベンチャーゲーム『東京クロノス』(Oculus、Steam、PlayStation VR)。無人となった渋谷に取り残された高校生の少年少女たちがそこから脱出を目指すとともに、謎のメッセージを手がかりに犯人を探し、秘密を解明する。総プレー時間15時間以上にもおよぶ、VRゲーム史上最大級のボリュームを誇る。

 2019年3月に配信され、SteamのVRカテゴリーで週間売上世界1位、そしてOculusではベストセラーゲームとなり、数千作品の中から8つしか選ばれない“Oculus Essentials”に日本作品として初めて選出された。同年8月にはPS VR版が発売され、さらに話題を呼んでいる。

 この人気タイトルの新プロジェクトが9月14日、東京ゲームショウのメインステージで発表とあって会場は熱気にあふれた。新プロジェクトの発表に先立ち、桃野夕役の声優・木戸衣吹さんと『東京クロノス』総合プロデューサー岸上健人氏が登壇。続いて、「週刊ファミ通」編集長・林克彦氏、VR/AR/MR/VTuber専門メディア「Mogura VR」編集長・久保田瞬氏、『東京クロノス』監督柏倉晴樹氏、『東京クロノス』プロデューサー・三木一馬氏という豪華メンバーで、「2019年はVRゲーム元年となったか?」「ぶっちゃけどう? 2019年のVRゲーム」「2022年VRゲームはどうなっている?」の3つのテーマでパネルトークを展開した。

VRへの熱い想いを語る4人。左から「週刊ファミ通」編集長・林克彦氏、VR/AR/MR/VTuber専門メディア「Mogura VR」編集長・久保田瞬氏、『東京クロノス』監督柏倉晴樹氏、『東京クロノス』プロデューサー・三木一馬氏
VRへの熱い想いを語る4人。左から「週刊ファミ通」編集長・林克彦氏、VR/AR/MR/VTuber専門メディア「Mogura VR」編集長・久保田瞬氏、『東京クロノス』監督柏倉晴樹氏、『東京クロノス』プロデューサー・三木一馬氏

 「大手メーカーの本格的なVR進出が遅れたのは、デバイスの少なさがビジネスとして成立しにくいと判断したのではないか。デバイスの選択肢も増え、普及してきた現在、VRへのとっかかりはかなり増えた。価格が見直されるなど、さらに手が届きやすくなれば、市場も活性化する。今後はVRじゃないと表現できないような作品に期待したい」(林氏)

 「16年もVR元年と言われていたが、当時はVRに対する過剰な期待に現場が追いつけない部分もあった。19年になり、VRで何をやるとおもしろいものができるのかが理解されてきたように感じる。VRはアクションの側面に注目されがちだが、限られた動きだからこそストーリー没入できる『東京クロノス』が新境地を拓いた。日本らしいVRだ」(久保田氏)

 「『東京クロノス』はVRという概念から一旦離れ、キャラクターやその関係性など物語の源流から作った作品。酔いやすい、疲れるといったこれまでのVRのデメリットを遠近の動きを繰り返さない、テキストの奥にキャラクターを配置するなどの工夫で総プレー時間15時間以上というVRゲーム史上最大級のボリュームを実現。『東京クロノス』は、日本のVRマーケットの代表として世界で戦える作品だと考えている」(柏倉氏)

 「VRはキャラクターの喜怒哀楽を効果的に伝えることができるので、ユーザーの心が揺さぶられるストーリーが作りやすい。ユーザーがスムーズにキャラクターになりきれるとともに、没入感も強いという特性はミステリーアドベンチャーに最適。今後、大手の有名なIPがVR化されれば、さらにVR市場が活性化すると予想する。『東京クロノス』が、そのパイオニアになれれば」(三木氏)