「ポジティブに思い描いていた未来から遠くない」(高橋氏)

 続くパネルディスカッションでは、まずVRゲーム市場の現状について語られた。

 VRエンターテインメント施設「VR ZONE」をはじめ、19年7月には東京・池袋に「アニメとゲームに入る場所」をコンセプトにした「MAZARIA(マザリア)」をオープンしたバンダイナムコアミューズメントの小山氏は、VRの認知状況について次のように語る。

バンダイナムコアミューズメント プロダクトビジネスカンパニー クリエイティブフェローの小山順一朗氏
バンダイナムコアミューズメント プロダクトビジネスカンパニー クリエイティブフェローの小山順一朗氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「都内在住の男女を対象にしたアンケートでは、VRがどういうものでどういう体験ができるのか知っているのは90%くらいだった。だが、実際に体験した人は6%くらい。『VRはこういうもの』という判断は終わっている状況だ」(小山氏)

 これに、同社の田宮氏が続けた。「お台場や歌舞伎町にVR ZONEを出したときは、目新しさが先行してメディアでも話題になったが、MAZARIA立ち上げのころにはニュアンスが変わった。『VRの先にはこういう楽しさがある』ということに興味を持たないと手には取らない。デバイスはどうでもよくて、その先にどんな楽しみが待っているのか、ということだ」。

バンダイナムコアミューズメント ニュークリエイティブディビジョン 企画開発部 イノベーション課マネージャーの田宮幸春氏
バンダイナムコアミューズメント ニュークリエイティブディビジョン 企画開発部 イノベーション課マネージャーの田宮幸春氏
[画像のクリックで拡大表示]

 VR脱出アドベンチャーゲーム『Last Labyrinth』の開発を進めるあまた の高橋宏典氏も、「『VR元年』と言われた2016年に、ポジティブに思い描いていた未来から遠くない状況」という見解を示した。「ソフトを作る方からすると、家庭向けVRHMDの普及台数は一定まで来たかなと思う。SteamVRのアクティブユーザー数も伸び続けている。ここにOculus Questが来ると、さらに伸びるではないか。家庭用としては時間がかかったが、ポジティブな状況になりつつあるという認識だ」(高橋氏)

あまた 代表取締役プロデューサー・ディレクターの高橋宏典氏
あまた 代表取締役プロデューサー・ディレクターの高橋宏典氏
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに普及させるためには、クオリティーの高いゲームが必要だとブルエット氏は指摘した。

 「将来的にはVRHMDが増えるにつれて、ゲーム以外の使い道が増えるだろう。ただし、今のユーザーはクオリティーの高いゲームをやりたいと考えている。また、VRは体験したことのない人に説明しようとしても難しい。だが、いいソフトがあれば、かぶった瞬間に分かってもらえる」(ブルエット氏)

 加えて、一般の人が興味を引くIP(ゲームやキャラクターなどの知的財産)も大きなカギを握るだろう。

 「例えば『スター・ウォーズ』の世界に入ってダース・ベイダーの前に立つというのは想像に難くない。スター・ウォーズでもゲームのIPでも、(よく知られているものなら)『自分でもできる』とお客さんが反応すると思う」(ブルエット氏)