アバターを利用して自身の活動をSNSで発信するバーチャルYoutuber(VTuber)が話題となっている。なかには数十万単位のフォロワーを持つVTuberもいるが、そうしたビジュアルインフルエンサーがゲームビジネスに進出する可能性はあるのか。最新映像とともに探った。
2019年9月13日、千葉・幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2019の専門セッションとして、TGSフォーラム「VTuber、バーチャルインフルエンサー、デジタルヒューマンの最前線とゲーム業界への展開」が開催された。
VTuberは2018年からすでに注目されており、日本におけるVTuberの数は8000人を突破(19年5月時点)。Twitterのフォロワー数が数十万人というVTuberも少なくない。
彼らは海外では「ビジュアルインフルエンサー」「デジタルヒューマン」などと呼ばれ、現実の人間と同じように自身の活動をSNSで発信している。なかにはリル・ミケーラのように、Instagramのフォロワーが160万人を超えるフォロワーを抱えるバーチャルインフルエンサーもいる。人気の高いバーチャルインフルエンサーはファッション、化粧品、音楽業界などで起用されており、その影響力が今後も拡大していくと見る向きは多い。
そうした動きに注目している投資家の1人がサニー・ディロン氏だ。同氏は、米カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くベンチャーキャピタル・ファンド、シグニア・ベンチャー・パートナーズの創業者兼パートナー。講演の前半では、同社の持つVR(仮想現実)技術の最先端を紹介した。
講演の後半は、グリーの取締役で、Wright Flyer Live Entertainment(東京・港)社長でもある荒木英士氏とディロン氏によるディスカッション。
荒木氏が社長を務めるWright Flyer Live Entertainmentでは、アバターを活用したキャラクターの創出とそのキャラクターによるライブエンターテイメントを展開しており、すーぱーそに子をはじめとする人気Vtuberが所属している。
Vtuverとゲームビジネスの関わりについて、両者のディスカッションから見えてきた現状は「Vtuberが実際にゲームをプレーすることで、そのタイトルのプロモーションに一役買う」というシンプルなものだ。しかし、そう遠くない将来、Vtuber自身がゲームに参加し、他のプレーヤーが作ったアバターとプレーできる時代が訪れる。荒木氏によれば多くの企業がVtuberを利用したプロモーションのために投資しているとのことだ。
(文/堀井塚高、写真/中村宏)