テクノスポーツ「HADO(ハドー)」を運営するmeleap(メリープ、東京・千代田)が2019年9月12日、日本eスポーツ連合(JeSU)に正式加盟したと発表した。21年には「国内でプロリーグを開催」を目標に掲げる。ゲームであり、体を動かすスポーツでもあるHADOは、eスポーツ普及の突破口になる可能性もある。
HADOは、AR(拡張現実)技術を使ったスポーツで、10×6メートルのコートに入り、3対3で対戦する。頭にはmeleapが開発したヘッドマウントディスプレー、腕にはアームセンサーを装着。人気マンガ「ドラゴンボール」の必殺技「かめはめ波」のような「エナジーボール」と呼ばれる光の玉で攻撃し合うドッジボールのようなスポーツだ。
これまでに世界26カ国65カ所で、のべ160万人が体験した。近年は世界大会も開催され、18年は7つの国と地域から参加。日本のアニメの世界観を体験できるとあり、世界でも人気を博す。(「HADO WORLD CUP 2018」の様子)
リアルスポーツとeスポーツの架け橋に
meleapのJeSU正式加盟を受け、13日に東京ゲームショウ2019のブースに登場したJeSU副会長の浜村弘一氏は「eスポーツの幅を広げるものとして期待している」と話した。海外ではVR(仮想現実)を使って体を動かすeスポーツも盛んにプレーされているが、日本ではまだ普及が進んでおらず、eスポーツは“ゲーム”という文脈で語られることが多い。コート内を縦横無尽に動き回るHADOが、JeSUに加盟することで、浜村氏は「世間的に見て分かりやすい(リアルスポーツとeスポーツの)ブリッジになり、eスポーツへの理解も深まる」と話す。
21年に「HADOの国内プロリーグ開催」を目標に掲げ、今後は競技の底力を上げるため、体験施設の増設などに取り組んでいく。浜村氏はライセンス認定について、「柔軟に対応する」と話す。競技が浸透すればプロのHADOプレーヤーが誕生する日も近いだろう。meleap取締役CCOの本木卓磨氏は「(ゆくゆくは)サッカーを超える市場をつくりたい」と意気込みを述べた。
(文/松野紗梨、写真/志田彩香)
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