では、プロライセンスの存在意義は?

 また、賞金に関してもうひとつの法規制である刑法・賭博罪についても回答を得ている。これも特に新しい見解が出たわけではなく、参加者や主催者以外の第三者がスポンサーとして賞金が支払われる場合においては問題がない。講演終了後の囲み取材での岡村会長は、観客として来場した人から入場料を取り、それを賞金にあてるのも、第三者による資金提供と同じと見なされると言及した。また、これらの見解については、ある種の指針であり、JeSUに参加しているゲームメーカーがこれに沿った大会運営をしなくてはならないわけではなく、最終判断はメーカーに依存することも述べていた。

刑法・賭博罪についても見解を確認し、参加費の徴収と賞金の提供についてのガイドラインが確立された
刑法・賭博罪についても見解を確認し、参加費の徴収と賞金の提供についてのガイドラインが確立された

 eスポーツ大会の賞金が景品表示法に抵触しないことが確認され、しかもプロライセンスの有無が関係ないとなると、気になってくるのがプロライセンスの存在意義だ。

 最大の要項が無効になってしまっただけに、プロライセンスが存在し続ける意味はないが、実際は、プロライセンス発行から1年半あまりで、付加価値が付き始めていると言う。プロゲーマーを目指す人の中には、JeSU公認のプロライセンスの取得を目指している者もおり、一種のステータスになっている。実際、『モンスターストライク』のeスポーツイベント、モンストグランプリ2019の優勝チームである「どんどんススムンガ」は、プロライセンスを取得することで、チームの認知度やイベント、配信の集客数が変わってくると考えている。そのために優勝の高額賞金よりもベスト4以内で付与されるプロライセンスの方が嬉しいと答えている。これも、すでにプロライセンスを与えられたプロ選手が、その活動によりプロライセンスの価値を高めた結果といえるだろう。

 さらに法規制においては、風俗営業法への取り組みも行っていくとの話だ。風俗営業法が改正もしくは、解釈が変わることによって、eスポーツの大会や練習をする施設の運営がやりやすくなると見られる。

 日本のeスポーツ市場は、法規制などのインフラが整っていない点が普及の足かせとなっていたのは間違いない事実なので、少しずつではあるが、それが払拭されつつあるのは、喜ばしいことだ。今後もJeSUの活動とeスポーツ普及に向けた法整備を期待したい。

(写真・文/岡安学、写真/加藤康)

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