東京ゲームショウ2019(TGS2019)に華を添える各メーカーのコンパニオン。身にまとうのは各社のイメージに合わせたオリジナル衣装だ。コンパニオン衣装の舞台裏を老舗衣装メーカー「ROCHE(ロッシュ)」のデザイナーに聞いた。最終回は、デザイナーが教える衣装のこだわりと見どころ。

 東京ゲームショウ2019(TGS2019)に華を添える各メーカーのコンパニオン。身にまとうのは各社のイメージに合わせたオリジナル衣装だ。コンパニオン衣装の舞台裏を老舗衣装メーカー「ROCHE(ロッシュ)」のデザイナーに聞いた。最終回は、デザイナーが教える衣装のこだわりと見どころ。

各ブースのコンパニオン衣装に着目。毎年TGSに来ているファンなら、その変化に気づくだろう
各ブースのコンパニオン衣装に着目。毎年TGSに来ているファンなら、その変化に気づくだろう

1着10万円超も珍しくない

 コンパニオン衣装は安いものなら1着3万円程度。高いものは1着10万円を超えるものもあり、価格に応じてデザインも凝ったものになるという。ゲーム会社は自社の予算に合わせてデザインを検討することになる。コンパニオン衣装ではないが、今回ロッシュが手掛けたあるゲーム会社のコスプレコスチュームは、100万円もの費用を掛けて製作したものがあるそうだ。

【最新画像も多数掲載! 東京ゲームショウ2019のコンパニオンを深掘り】
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コスプレの衣装は平面を立体に起こさなければならず、難易度が高い。小道具なども複雑で、凝ったデザインだと衣装代が100万円を超えるものもあるという
コスプレの衣装は平面を立体に起こさなければならず、難易度が高い。小道具なども複雑で、凝ったデザインだと衣装代が100万円を超えるものもあるという
ゲーム会社はコストを掛けてもキャラクターの世界観をリアルに表現しようとこだわり、衣装デザイナーや製作会社はその具現化に心血を注ぐ
ゲーム会社はコストを掛けてもキャラクターの世界観をリアルに表現しようとこだわり、衣装デザイナーや製作会社はその具現化に心血を注ぐ

 時間と手間とお金をかけて作り上げた各社の衣装。コンパニオンの顔ばかりに見とれていてはもったいない。ゲーム会社と綿密にコミュニケーションをとりながらデザインを錬り、数カ月の期間と多大なコストをかけ、1着1着心を込めて仕立てられたコンパニオン衣装。TGS2019の会場に足を運んだ人たちは、そこにも目を向けてもらいたい。そこでロッシュのベテランデザイナー・中島一生氏に、コンパニオン衣装を深く知るための見どころを教えてもらった。

ゲーム会社から衣装デザインの依頼の多いロッシュの中島一生氏
ゲーム会社から衣装デザインの依頼の多いロッシュの中島一生氏

「側面」にこだわりあり

 中島氏はまず、「正面でモデルさんの顔と一体で見るのはもちろん大事だが、ぜひ横からのデザインもチェックしてほしい」と強調する。TGS会場ではコンパニオン写真の撮影を楽しむ来場者は多いが、コンパニオンの側面に注目している撮影者はほとんどいない。実はサイドの素材に正面と異なる素材を使ったり、凝ったデザインを施したりするなど、正面以外の部分の見え方にこだわりのある企業も少なくないそうだ。中島氏自身も、側面のデザインには力を入れているとのこと。

衣装の側面にも作り手の魂は宿る
衣装の側面にも作り手の魂は宿る
正面と側面の使用素材に注目
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どのような作りになっているのか……
どのような作りになっているのか……
薄い布を巧みに使い、体の上下、腕、手など、組み合わせて一体感を演出
薄い布を巧みに使い、体の上下、腕、手など、組み合わせて一体感を演出

優れた衣装は背面からもメッセージを放つ

 「意外と盲点なのが後ろ姿」と中島氏。コンパニオンに後ろ向きで立ってもらい、振り返る姿勢を好む撮影者もいるが、ポーズに動きが出るほか見返りの表情に魅力を感じるからだろう。しかしここは衣装にこそ注目してもらいたい。背面をよく見ると、大きなリボンやしっぽが付いていたり、会社のロゴや来場者へのメッセージがプリントされていたりと、バリエーションに富んでいるのが分かる。

赤く大きなリボンがポイント
赤く大きなリボンがポイント
うさぎのような、白く丸いしっぽがかわいさを引き立てる
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大好きなゲーム会社のロゴを記念撮影するなら、コンパニオンの背中が狙い目かも
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コンパニオン衣装の背中は、企業が来場者に伝えたいサインボードにもなる
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どこから見られているか分からないコンパオン。背面のデザインも手は抜けない
どこから見られているか分からないコンパオン。背面のデザインも手は抜けない

作り込まれた「小物」を見逃すな

 最後に中島氏は「小物とのバランスも見てもらいたい」と言う。予算に余裕のあるメーカーの衣装は、「小物もしっかり作り込んでいるところが多い」とのこと。足元を見れば、コンパニオンの身長差への対応が見て取れるかもしれない。「ヒールの高さを調整して合わせたり、あえて高さをばらけさせたりしている場合もある」(中島氏)。

 例えばバンダイナムコエンターテインメントのコンパニオンは、ちょこんと頭に乗せた帽子がかわいさを引き立てている。さらに帽子をよく見ると、アクリル板を切り抜いたと思われる「パックマン」を発見。視線を下に移し、長いソックスに目をやると、そこにもパックマンと「アカベエ」がプリントされている。自社を代表するキャラクターを衣装デザインに取り入れ、ゲームの世界観と企業ブランドを巧みに表現している。こうしたゲーム会社とデザイナーによるちょっとした“遊び心”を読み取るのも、コンパニオン衣装鑑賞の楽しみといえるだろう。

 奥深いコンパニオン衣装の世界。新たな視点で眺めてみると、これまで以上にTGSを楽しめること請け合いだ。

バンダイナムコエンターテインメントのコンパニオンの帽子にパックマンが。コンパニオン衣装を楽しむときは、こうした小物の作り込みにも注目しよう
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長いソックスにはパックマンとアカベエがプリントされている
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Samsung SSDのコンパニオン衣装は、腕に商品の「SSD(ソリッドステートドライブ)」を仕込む直球勝負
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インテルのコンパニオン衣装には同社のCPUをモチーフにした「CORE i9 9th Gen」の装飾が施されている。同社のCoreプロセッサーは既に「第10世代」へ踏み出している。来年は……
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東京ゲームショウ2019 最新コンパニオン衣装コレクション(4)

 ものづくりに懸けるデザイナーや製作の裏側を知れば、コンパニオンを見る目もまた違ってくるだろう。ここにTGS2019最新コンパニオンの写真を掲載する。存分に堪能していただきたい。

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(文/北川聖恵、写真/小林 伸、木村 輝、酒井康治)

関連リンク
東京ゲームショウ2019特設サイト
東京ゲームショウ2019公式サイト