東京ゲームショウ2019(TGS2019)に華を添える各メーカーのコンパニオン。身にまとうのは各社のイメージに合わせたオリジナル衣装だ。意外と知られていないコンパニオン衣装の舞台裏を老舗衣装メーカー「ROCHE(ロッシュ)」のデザイナーに聞いた。第3回は製作会社の選定について。

コンパニオンを支える“黒子”ともいえる衣装製作会社。ゲーム会社はどのように選定するのだろうか……
コンパニオンを支える“黒子”ともいえる衣装製作会社。ゲーム会社はどのように選定するのだろうか……

ファッションへの知識と理解がカギ

 ロッシュには、毎年4~9社からTGC用衣装のオーダーが入る。何年も連続で同じ製作会社に発注するゲーム会社もあれば、数年で他の製作会社へ切り替える企業もあるという。イベントやコンパニオン衣装の担当者が代わるタイミングで外されてしまうケースもある。「去年は発注があったのに、今年は声が掛からないな……」というのは心穏やかではないだろう。コンパニオン衣装の製作会社選びの裏には、どんな事情があるのだろうか。

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 主な選定方法としては、複数の製作会社によるコンペがある。ロッシュのデザイナー・中島一生氏は入社して12年間、何度もコンペを経験し、衣装製作の権利を勝ち取ってきた。ゲーム会社が製作会社の求めるものは、コスプレコスチュームならゲームキャラクターらしさがいかに表現できているか。コンパニオン衣装なら、イベントのテーマに沿ったデザインで、なおかつそれを上回る魅力をどう打ち出せるかで勝負が決まる。

 中島氏はゲーム会社からの指名の多いデザイナーだ。服飾専門学校デザイン科に在学中から衣装デザインを手掛け、卒業後は「一から自分の発想で作り上げたい」という思いからアパレルメーカーではなく、ロッシュに入社した筋金入りの衣装デザイナーだ。そのデザイン性の高さで、各社から「中島さんにお願いしたい」とご指名で依頼がくるほど。

 ロッシュディレクターの佐藤一成氏は、「これまでゲーム会社側にはファッションの専門家はいなかった。しかし最近の潮流として、ファッションにも詳しいゲームクリエイターが多くなっている。ボタン一つでも、ファッションの知識がないと描けないほどのデザイン性の高さだ。そんな中で、ファッションを理解しつつクライアントの要望をデザインに落とし込めるデザイナーじゃないとコミュニケーションできない」と、中島氏の人気の理由を分析する。

 最終回は中島氏が作り手の視点で、コンパニオン衣装の見どころについて解説する。TGS2019の会場で、ぜひチェックしていただきたい。

東京・新宿にある衣装製作会社のロッシュのアトリエ兼工房
東京・新宿にある衣装製作会社のロッシュのアトリエ兼工房