東京ゲームショウ2019の6ホール最大級のセガゲームス/アトラスブース。その一角に季節外れのサクラが咲き乱れる明るいエリアが存在する。そこが『新サクラ大戦』の展示コーナーだ。生まれ変わった人気作に来場者の注目も集まる。

造花の桜で飾り立てられた『新サクラ大戦』の試遊コーナーは、セガゲームス/アトラスのブースでもいちだんと華やか
造花の桜で飾り立てられた『新サクラ大戦』の試遊コーナーは、セガゲームス/アトラスのブースでもいちだんと華やか

『新サクラ大戦』とは?

 『サクラ大戦』シリーズは、蒸気機関技術が発達した架空の時代「太正時代」を舞台に、帝都・東京の平和を守る乙女たち「帝国華撃団」の活躍を描いたゲーム。物語を楽しむアドベンチャーパートと、シミュレーションゲーム仕立ての戦闘パートを交互に繰り返しながら展開するドラマチックな物語は、平時は歌劇団として舞台に上がる個性豊かな少女たちとのほのかな恋愛模様も盛り込まれ、大きな人気を博した。

 2005年の『サクラ大戦Ⅴ ~さらば愛しき人よ~』を最後に本編新作が途絶えていたこのシリーズが、リブート。制作スタッフも一新されて生まれ変わったのが、今回出展されている『新サクラ大戦』だ。

 これまでのシリーズでは「逮捕しちゃうぞ」や「ああっ女神さまっ」で知られる漫画家、藤島康介氏がキャラクター原案を務めていたが、今作ではキャラクターデザインには世界的ヒットとなった「BLEACH」を手がける久保帯人氏を起用。ほかにもストーリー構成に『428 ~封鎖された渋谷で~』などを代表作とするイシイジロウ氏が参加。豪華クリエイター陣が参加していることも話題になっている。

 今作では『サクラ大戦Ⅴ』から12年後が描かれ、これまでのシリーズの人気キャラクター、神崎すみれが登場するなど、シリーズと同じ世界観が共有されている。しかし、キャラクターデザインだけでなく、バトルシステムもリアルタイムの3Dアクションに変更されるなど、その違いは大きい。東京ゲームショウの試遊でいち早くその違いを味わいたいというユーザーも多いのか、ビジネスデイから試遊台は待ち時間が1時間以上にのぼるなど、その注目度は高い。

蒸気機関が発達した時代、という設定ならではの独特のメカデザインも本シリーズの魅力のひとつ。従来の霊子甲冑に加え、新世代機である霊子戦闘機も登場する
蒸気機関が発達した時代、という設定ならではの独特のメカデザインも本シリーズの魅力のひとつ。従来の霊子甲冑に加え、新世代機である霊子戦闘機も登場する
試遊をアテンドするスタッフは男性も女性も「太正時代」をイメージした衣装。試遊が終わった後は写真の女性が手にしている黒い封筒に入った特製ブロマイドがもらえる
試遊をアテンドするスタッフは男性も女性も「太正時代」をイメージした衣装。試遊が終わった後は写真の女性が手にしている黒い封筒に入った特製ブロマイドがもらえる

3Dキャラクターに生まれ変わった

 本物と見紛うほど精緻に作られた桜の花で飾り立てられたコーナーで、『新サクラ大戦』の試遊を楽しんでみた。

 試遊バージョンはアドベンチャーパートと戦闘パートとを軽く楽しめる内容。アドベンチャーパートでは、プレーヤー演じる主人公、神山誠十郎と、新ヒロインの天宮さくらの会話を導入に、彼女たちの“職場”である帝国劇場の内部を探索。その後、敵の襲来を受け、まるっきり様変わりしてしまった上野公園を舞台に戦闘パートが展開する。

 アドベンチャーパートでは、従来は2Dで表現されていたロケーションが3Dになっていたりと、従来作品との違いがいきなり体験できる。何より会話にあわせていきいきと表情を変える3Dキャラクターの表現が「現代のゲーム」として生まれ変わったことを実感させる。

戦闘パートでは独特のメカに乗り込んで敵と戦う。従来のシミュレーションゲーム仕立てのターン制から、リアルタイムの3Dアクションへと変更された
戦闘パートでは独特のメカに乗り込んで敵と戦う。従来のシミュレーションゲーム仕立てのターン制から、リアルタイムの3Dアクションへと変更された

 そうした明確な違いがある一方、一定時間以内に自分の行動を選択し、それによって各キャラクターとの親密度などが変化する本シリーズ独自のシステム「LIPS」が健在であることも理解できた。架空の時代「太正」の空気感をはじめ、シリーズを通底する特徴的な部分をしっかり押さえようという作り手の意図がしっかり伝わってくる。

新ヒロインの天宮さくらと、シリーズ伝統の「LIPS」。時間制限式選択肢で、どれを選ぶかによって、その人物からの信頼度やその後の展開が変化する
新ヒロインの天宮さくらと、シリーズ伝統の「LIPS」。時間制限式選択肢で、どれを選ぶかによって、その人物からの信頼度やその後の展開が変化する

 バトルパートは従来のシミュレーションゲーム仕立てのものに比べて、若干、分かりづらくなっている感は否めない。とはいえ、「リアルタイムの3Dアクション」と言ってもシビアな操作が求められるような作りではないので、プレーヤーを選ぶようなこともなさそうで、少し安心した。