ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のブースで行われた『DEATH STRANDING』の小島秀夫監督によるセッションに、歌手の三浦大知さんが登壇した。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のブースで行われた『DEATH STRANDING』(発売元:SIE)の小島秀夫監督によるセッションに、歌手の三浦大知さんが登壇した。三浦さんはゲーム内にも「ミュージシャン」のキャラクターで登場しており、その映像も公開された。

三浦さんはセッションの後半にサプライズ登場して、集まったゲームファンを沸かせた
三浦さんはセッションの後半にサプライズ登場して、集まったゲームファンを沸かせた

 三浦さんはもともと小島監督が生み出すゲームのファンだという。「(1998年にPlayStationなど向けソフトの)『メタルギアソリッド』が発売された当時、僕は小学生で、Folderとして活動していた。メタルギアがどうしても欲しくて『レコーディング頑張るから買って!』とマネージャーさんに頼んだ覚えがあります」と子供時代の思い出を振り返った。

小島監督と三浦さん。2018年の雑誌の対談がきっかけで、ゲーム世界への三浦さんの登場が決まったという
小島監督と三浦さん。2018年の雑誌の対談がきっかけで、ゲーム世界への三浦さんの登場が決まったという

 『DEATH STRANDING』に登場する「ミュージシャン」は、ゲームにサブストーリーを派生させる役割を担う。三浦さん本人の顔を撮影し、別に用意した動きと声を組み合わせたキャラクターだという。小島監督は「ミュージシャンは(プレーヤーのキャラクターと)仲良くなると、『CDを1箱運んでほしい』などと頼んでくる。(今回のゲーム世界にはアイテムや装備にも重さの概念があり)1箱50kgもの重さがあるのに」と冗談まじりにキャラクターを紹介した。

小島監督によれば、ミュージシャンは無茶ぶりをするキャラらしい
小島監督によれば、ミュージシャンは無茶ぶりをするキャラらしい

『DEATH STRANDING』のテーマは「つなぐ」

 セッションの前半は約50分をかけて、『DEATH STRANDING』の最新プレー映像(編集したもの)を放映しながら、監督が解説を加えた。ゲームのテーマは「世界をつなぐ」。主人公のサムはブリッジ・ベイビー(BB)と旅をしながら、必要な場所へ必要な物資を運ぶとともに、分断されてしまった世界の「カイラル・ネットワーク」をつないでいく。ネットワークがつながると、それまで見えなかった“たくさんのサム”(他のプレーヤー)が作った施設や設置した道具などが可視化され、利用できるようになる。「孤独な旅のように見えて、そうではなかったことが分かる」(小島監督)という感動的な仕掛けだ。

特徴的なゲームシステムを小島監督は「ソーシャル・ストランド・システム」と呼ぶ。ストランドは「絆」を意味する
特徴的なゲームシステムを小島監督は「ソーシャル・ストランド・システム」と呼ぶ。ストランドは「絆」を意味する

 これまでゲームではあまり扱われなかったアイテムや装備の重さ、その担ぎ方の違いによる疲労度、川を渡る難しさ、荒れ地を転ばずに歩く難しさなど、主人公に物理的な辛苦が待ち受けているのもユニークだ。約50分の動画の終盤には、目的地がすぐそこに迫り、重い荷物を背に山を徒歩で下るサムの姿が。その背中に音楽が重なると、小島監督は「ここは、プレーしていて泣く人も多い」と紹介した。

主人公であるサム・“ポーター”・ブリッジズ(演:ノーマン・リーダス、日本語吹き替え:津田健次郎)は世界を“つなぎ直す”(c) Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
主人公であるサム・“ポーター”・ブリッジズ(演:ノーマン・リーダス、日本語吹き替え:津田健次郎)は世界を“つなぎ直す”(c) Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
荷物の積み方で疲労度が変わるユニークなゲームシステム(c) Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
荷物の積み方で疲労度が変わるユニークなゲームシステム(c) Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.

 セッションの終わりに小島監督は「(コナミデジタルエンタテインメントから)独立して3年半あまり。ゼロからの再スタートだったが、僕も人とつながることでやってこられた」と、自身が立ち上げたコジマプロダクションでの3年超を振り返った。ゲームには、三浦大知が協力した「ミュージシャン」が登場するほか、親交のある歌手・星野源の楽曲をゲーム内の特定スポットで再生できるシステムも採用。監督自ら大切にする“つながり”を、ゲームでも表現している。小島監督は一般公開日の19年9月14日に再びステージに登壇する。そのイベントで、実機でのプレーを世界初公開する予定だ。

自身が大切にしてきた人との“つながり”を写真で示しながら話す小島監督
自身が大切にしてきた人との“つながり”を写真で示しながら話す小島監督

(文・写真/赤坂麻実)

関連リンク
東京ゲームショウ2019特設サイト
東京ゲームショウ2019公式サイト

3
この記事をいいね!する