※日経トレンディ 2020年6月号の記事を再構成

グラミー賞で主要4部門を独占した、弱冠18歳の米国のシンガーソングライター、ビリー・アイリッシュ。世界的に大ヒットした「bad guy」 は、リリースから1年以上がたった今なお音楽ストリーミングサービスの国内チャート上位に入るなど、日本でも異例のロングヒットになっている。その裏には、ユニバーサルミュージックのプロモーション戦略がある。同社執行役員の井口昌弥氏に聞いた。

ユニバーサル ミュージック執行役員 井口昌弥(いのくち まさや)
ユニバーサル ミュージック執行役員 井口昌弥(いのくち まさや)
2004年ユニバーサル ミュージック合同会社入社。営業・宣伝・制作を経験した後、The Black Eyed PeasやRihanna、Ne-Yoなど洋楽アーティストのディレクターを歴任した。Lady Gagaを09年のデビュー時から担当。20年1月から、執行役員として洋楽全般、クラシックス&ジャズなどを統括する

世界で最も権威のある音楽賞の一つ、2020年1月のグラミー賞授賞式で、年間最優秀レコードなど主要4部門を独占したビリー・アイリッシュ。彼女の代表曲「bad guy」がロングヒットを記録しています。率直な感想は。

井口昌弥氏(以下、井口氏)  衝撃です。リリース時には想像もつきませんでした。当初は曲などのあらゆる面で、たとえ米国で絶大な人気があるからといって、日本で売っていくのは正直難しいなという印象の方が強かったです。ただ、それは僕らが「日本でヒットする洋楽はこうあるべき」という枠組みを勝手に決めていたのかなと。良い意味でそれが壊されて、すごくよかったと思っています。