2019年3月に発売した「牛丼 超特盛」、5月に発売した「ライザップ牛サラダ」などヒット商品を連発する吉野家。同社の持ち株会社、吉野家ホールディングスは19年2月期の赤字決算から業績が急回復している。このV字回復をマーケターとして支えるのが、P&G出身の伊東正明常務だ。成功の方程式を聞いた。

吉野家常務の伊東正明氏。1996年にP&G入社。ブランドマネージャーとして「ジョイ」「アリエール」のブランドを再建するなど、国内外で活躍。シンガポールでペットケア事業責任者、アジアパシフィック・Eビジネス事業責任者、ホームケア・オーラルケアヴァイスプレジデントなども歴任。2017年11月退職・独立。18年1月に戦略担当顧問として吉野家に招かれ、10月より同社の常務に。伊東氏が右手に持つのが「牛丼 超特盛」、左手に持つのが「牛丼 小盛」で使われる丼
吉野家常務の伊東正明氏。1996年にP&G入社。ブランドマネージャーとして「ジョイ」「アリエール」のブランドを再建するなど、国内外で活躍。シンガポールでペットケア事業責任者、アジアパシフィック・Eビジネス事業責任者、ホームケア・オーラルケアヴァイスプレジデントなども歴任。2017年11月退職・独立。18年1月に戦略担当顧問として吉野家に招かれ、10月より同社の常務に。伊東氏が右手に持つのが「牛丼 超特盛」、左手に持つのが「牛丼 小盛」で使われる丼

 「ヒット商品を作るうえで大切なのは、原点に立ち返ること。吉野家とは何ぞや?と歴史を遡って考えてみると、創業した1899年(明治32年)頃には、牛肉を食べることは恐らくハレの食事だったはず。それを日常食にしたのが吉野家だった」。そう話すのは吉野家ホールディングス傘下の中核事業会社、吉野家の伊東正明常務だ。

 「商品力で1位を取れる商品なら、シェアでも1位になれる」。それがマーケターとしての伊東氏の持論。では、その1位を取れる強みとは何かを考えるときに立ち返るべきなのが、そのブランドの原点だという。

ブランドのDNAを今の時代に合わせよ

 「ブランドは生まれたときから成長のドライバーとなるDNAが書き込まれている。それと違うことをしてはダメで、時代に合わせてブランドの見せ方をアップデートすることが大切」。そう考えるようになったのは、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)時代の経験からだという。簡単に言えば、ブランドにはそれぞれ「高性能」「利便性」など消費者が期待するものがある。それを探し出して、時代に合わせた提案ができたときには販売数が必ず増えた。逆に、消費者が期待していない部分を広告などでアピールしてもその努力は無駄に終わる。

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