
全25回
2020年のヒットをつくる人
2019年に活躍したヒットメーカーや新市場の創造に挑むイノベーターは、平成から令和に変わった時代の潮流をどう読んでいるのか。どんな一手で、ビジネスチャンスや潜在ニーズを捉えようとしているのか──。自身が成功を収めた事例や最新の取り組みから、2020年代のヒットづくりの要諦を探る。
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第1回2019.09.24「カップヌードル 味噌」大ヒットの戦略 日清安藤社長が明かす2020年のヒットメーカーに直撃する本特集。第1回は2019年4月に発売した「カップヌードル 味噌」が計画を大幅に上回る売れ行きで一時販売休止となるなど(8月に販売再開)、ヒットを生み出し続けている日清食品の安藤徳隆社長だ。安藤社長は世の中のトレンドをどのように捉えているのか。
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第2回2019.09.25日清「ラーメン店」開業へ 安藤社長「会社ごとぶっ潰すような挑戦」日清食品が2020年度に食のイノベーションをテーマにした「ラーメン店」に乗り出す。安藤徳隆社長は、19年10月に設立する予定の社内組織「Nissin Innovation Lab.」(仮称)による新事業の一環として取り組むと言う。
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第3回2019.09.26吉野家をV字回復させた敏腕マーケター 伊東常務のヒットの法則2019年3月に発売した「牛丼 超特盛」、5月に発売した「ライザップ牛サラダ」などヒット商品を連発する吉野家。同社の持ち株会社、吉野家ホールディングスは19年2月期の赤字決算から業績が急回復している。このV字回復をマーケターとして支えるのが、P&G出身の伊東正明常務だ。成功の方程式を聞いた。
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第4回2019.10.17小島秀夫氏が挑む 新型ゲーム「デス・ストランディング」の勝算“ステルスゲーム”「METALGEAR(メタルギア)」で一躍ヒットメーカーとなり、世界中に熱狂的ファンを抱える小島秀夫氏。2019年11月8日、独立後初作品「デス・ストランディング」を公開する。2020年のヒットをつくる人の第4回は、小島氏に、独立した思いと、ゲーム作りの秘訣を聞いた。
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第5回2019.10.18飲食予約サービス首位のトレタ ヒットの鍵は素人発想とデータ1万7000店の飲食店が利用するデジタル予約台帳サービスを提供するトレタ(東京・品川)。全国にある繁盛店の予約データの他、メニューのPOSデータを蓄積。これを活用して外食のトレンドを分析できるのが強みだ。2020年に外食から新しいヒットは生まれるのか。同社の中村仁社長に展望を聞いた。
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第6回2019.10.21傘シェアを東京沿線に展開 若き起業家が「アイカサ」で描く未来東日本旅客鉄道(JR東日本)、西武鉄道などの電鉄各社、福岡市、東京都渋谷区、早稲田大学……。2018年12月のサービス開始からまだ1年にも満たないが、名だたる大企業や公共機関が続々と導入しているのが、傘のシェアリングサービス「アイカサ」だ。同サービスを立ち上げた24歳の若き起業家に、傘シェアリングで社会をどう変えたいのか、その未来像を聞いた。
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第7回2019.10.25『全裸監督』を世界へ ニッチな題材でヒット狙うディレクターインターネット映像配信サービス「ネットフリックス」が日本でのオリジナル作品の制作を強化している。2019年8月に配信が始まった『全裸監督』はアダルト業界を真正面から描き、日本のみならずアジア各国でも視聴ランキング上位に食い込んだ。制作を統括した坂本和隆氏は、「これからも語られてこなかった題材を探し出し、新たな切り口で表現していく」と話す。
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第8回2019.10.30入場者が10年で2倍 サンリオピューロランド館長の「対話力」サンリオピューロランドが、ここ数年で入場者数を伸ばしている。2018年度は開園してから初めて200万人を突破。19年の入場者数はさらに伸びる見込みだ。ピューロランド館長・小巻亜矢氏に近年の持続的成長の理由を聞いたところ、浮かび上がったのは「対話」というキーワードだった。
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第9回2019.11.11“浮かぶバイク”を2020年に市販化 A.L.I.社長が抱く大志「エアモビリティ社会」の実現を目指す企業は世界中に存在する。日本のスタートアップ企業、A.L.I. Technologies(以下、A.L.I.)もその一つだ。同社が開発したホバーバイク1号機は2020年に市販される。A.L.I.の片野大輔社長に1号機の魅力と、電動化など将来の展望を聞いた。
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第10回2019.11.12石油に依存しない「素材革命」 スパイバーがクモ糸を封印した理由人工クモ糸で有名になったバイオベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)が、スポーツアパレル大手・ゴールドウインの看板ブランド「ザ・ノース・フェイス」と共同開発したアウトドアジャケット「ムーン・パーカ」。実はその素材はもはや“人工クモ糸”ではないという。何が起きたのか。
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第11回2019.12.20アサヒビール32年ぶり外部から取締役 最初に数の目標はいらない「てこ入れ」とはこのことを言うのだろう。看板商品、アサヒスーパードライの苦戦が続くアサヒビールが、32年ぶりに外部から取締役を起用したというニュースがビール業界をにぎわせた。その人こそ、松山一雄氏。サトーホールディングス前社長で、P&Gのマーケターだった経験もある。今、食品・飲料業界にP&G出身のマーケターが数多く入り、変革を起こしている。松山氏は、この老舗企業で何を仕掛けようとしているのか。
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第12回2019.12.20P&Gでの大失敗から得た気付き 一人の声がアサヒに革命を起こすアサヒビールとしては32年振りに外部から取締役に就任した松山一雄氏。インタビューの後編では、スーパードライの苦戦が続く中、どういった変革を起こそうとしているのか聞いた。その指針には、P&Gのマーケター時代に犯した大失敗の経験があった。
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第13回2019.12.30分身ロボットで人々を孤独から解放 オリィ開発者・吉藤CEOテレワークや遠隔教育に利用される分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を生み出したオリィ研究所(東京・港)。最近では、店員が遠隔操作のロボットという前代未聞のカフェを展開するなど、先進的な取り組みを加速させている。分身ロボットは世界をどう変えるのか、吉藤健太朗CEOに聞いた。
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第14回2019.12.30ウィラー代表・村瀬氏 「MaaSで公共交通の空白を埋める」様々な移動手段を一つのサービスとしてシームレスにつなぐMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)。この分野で、高速バス大手のWILLER(ウィラー、大阪市)が頭角を現している。どんな未来を描いていくのか。代表取締役の村瀨茂高氏に話を聞いた。
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第15回2019.12.31あいみょん、ヒゲダン…アゲハスプリングスに学ぶ“売れる3カ条”今、音楽ストリーミングサービスで絶大な支持を集めるOfficial髭男dismやあいみょん。彼らには、多くの有能な音楽プロデューサーが所属するアゲハスプリングスがプロデュースを手掛けたという共通点がある。主宰の玉井健二氏に、その組織や売れる曲の条件を聞いた。
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第16回2019.12.31ポスト音声操作のスマートホームに挑む「HOMMA」のビジョン米国の住宅にイノベーションを起こそうとしている日本人がいる。本間毅氏だ。その名も「HOMMA」をシリコンバレーで起業し、日本の住宅メーカーとの協業で未来のスマートホームを建設している。2020年1月、プロトタイプとなる「HOMMA ONE」が、カリフォルニア州ベニシアに完成する。HOMMAとは何者か、どんな住宅を生み出そうとしているのか。
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第17回2020.01.01福岡市長・高島氏「ICTによる課題解決を世界に“見せる”」スタートアップを支援する都市づくりをはじめ、先駆的な政策でスマートシティー化を推進する福岡市長の高島宗一郎氏。福岡市が前例のない取り組みを推し進められる理由や、2020年の展望を語ってもらった。
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第18回2020.01.01「日本ラグビー、プロ化で世界一のリーグに」 清宮副会長の野望W杯での躍進が記憶に新しい日本のラグビー。2019年11月、日本ラグビーフットボール協会は「新プロリーグ設立準備委員会」を設置し、トップリーグのプロ化へと舵を切った。日本ラグビー界はどう変わるのか。清宮副会長に聞いた。
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第19回2020.05.19無観客演奏会を有料配信した反田恭平氏 クラシック界もDXへ2020年3月以降、クラシック音楽の現場では演奏会の中止や延期が相次ぎ、多くの音楽家が演奏の場を失った。人気ピアニストの反田恭平氏も、5月までの演奏会がなくなり、本拠地の欧州にも帰れなくなった。そこで同氏が企画したのが有料ライブ配信による無観客演奏会の「Hand in hand」。反田氏に、クラシック業界初となったチケット制無観客ライブの狙いと今後のクラシック音楽のあり方を聞いた。
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第20回2020.05.20カンムCEO・八巻渉氏 「投資×決済」で独自のポジション築くスマホ決済の普及や政府の後押しなどで盛り上がりを見せる「キャッシュレス決済」。2016年9月のサービス開始以降、20年1月にはアプリが200万ダウンロードを突破したプリペイド決済サービス「バンドルカード」。同サービスを展開するカンムの最⾼経営責任者(CEO)・⼋巻渉⽒に、現状と⾒通しを聞いた。
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第21回2020.05.22TBS「恋つづ」が成功 プロデューサー磯山晶氏のド直球戦略ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が持っていた見逃し無料配信再生回数の記録を塗り替えたのが1~3月に放映された「恋はつづくよどこまでも」だ。ストーリーは、佐藤健ふんする超ドSキャラの医師・天堂浬(かいり)に一目ぼれした佐倉七瀬(上白石萌音)が、いちずに恋愛を成就させていく典型的なラブコメ。それをいかに視聴率15%超えのドラマに作り上げたのか。チーフプロデューサー磯山晶氏に戦略を聞いた。
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第22回2020.05.22ビリー・アイリッシュが若者ヒット ユニバーサルの国内マーケ策グラミー賞で主要4部門を独占した、弱冠18歳の米国のシンガーソングライター、ビリー・アイリッシュ。世界的に大ヒットした「bad guy」 は、リリースから1年以上がたった今なお音楽ストリーミングサービスの国内チャート上位に入るなど、日本でも異例のロングヒットになっている。その裏には、ユニバーサルミュージックのプロモーション戦略がある。同社執行役員の井口昌弥氏に聞いた。
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第23回2020.07.09ワークマン土屋専務のリーダー論「エースが頑張るのは会社の邪魔」2019年に新業態の「ワークマンプラス」を成功させ、ワークマンの勢いをけん引する土屋哲雄専務は、どのようなリーダーシップを発揮したのか。「頑張りはいらない」「先にアメをあげる」「残業させるくらいならやらない」……驚きのリーダー論を、日経トレンディ編集長・三谷弘美が聞いた。
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第24回2020.09.11神田伯山 講談の人気を復活させたYouTubeとラジオ活用2020年2月、講談師・六代目神田伯山が誕生した。ここ数年、「最もチケットが取れない講談師」として話題をさらい、衰退の道をたどっていた講談が再び脚光を浴びるようになった。ラジオやYouTubeを活用して新たなファンを増やす伯山に、ヒットの理由を聞いた。
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第25回2020.09.15コロナ禍で攻める居酒屋「塚田農場」 1週間でECを開始できた理由コロナ以降の世界をどう生き抜くか。外食チェーンは「次の一手」を繰り出すことを迫られている。そのヒントとなるのが、エー・ピーカンパニー(東京・豊島)が手掛ける居酒屋「塚田農場」が1週間で立ち上げたEC事業、「おうち塚田農場」だ。新規事業を率いた同社のCOO・野本周作氏が、コロナ禍での苦労とその強さの源泉を語る。