消費増税前の駆け込み需要に前回ほどの“駆け込み感”はないとのことだが、4Kを中心にテレビが動いていたようだ。デジタル家電のマーケティング調査を行うBCN(東京・千代田)に、全国の家電量販店やネットショップのPOS(販売時点情報管理)データから見えてきた駆け込み需要の動きを聞いた。
今回の駆け込み需要は「マイルド」
2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられた。増税前の駆け込み需要や増税後の反動減は、数字にするとどの程度になったのだろうか。BCN総研チーフエグゼクティブアナリストの道越一郎氏に話を伺った。
「駆け込みのスタートは増税1カ月前の9月に入ってから。ピークは9月最終週になると考えられる。前回、消費税が5%から8%に引き上げられたのが14年4月1日。その時とほぼ同じで、ピーク時は前年同週比の130%前後になると見ている。反動減は前年同週比の80%前後になり、早くて年内には回復すると見ている。『キャッシュレス・消費者還元事業』は制度ができたものの、対象店舗リストが多すぎて、どこで割引が効くのか非常に分かりづらい。駆け込みの抑制には効いていないと判断していい」(道越氏)
増税前1カ月の9月第1週は、前年同週比が110.9%。前回の増税時が113.8%だから、比較するとマイナス2.9ポイントと駆け込み具合が弱い。その後も第2週、第3週と続けて前年同週比が前回を下回っていることから、クロモノ市場全般では今回は「マイルド駆け込み」と言ってよさそうだ。
複数の要因で売り上げを伸ばしているテレビ
特に数字を伸ばしているのがテレビ。9月の第1週で売上台数が前年同週比177.4%、第3週には同178.8%となっている。伸びている要因は消費増税だけでなく、複数あるという。
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