2020年春の商用サービス開始に先駆け、NTTドコモが次世代通信「5G」のプレサービスを始めた。社員1500人を投入し、半年で100の事例作りを目指す。まだ“主役”となる5Gの用途が創出できていない——そんな焦りを総力戦で払拭する。
19年9月20日午前10時、NTTドコモの吉澤和弘社長が「5G、オープン!」と高らかに宣言し、次世代の高速通信「5G」がスタートした。とはいっても、商用サービスの開始は20年春の予定。それまでの約半年間はプレサービスという位置付けで、一般ユーザーは契約することができず、デモ端末などを使用しても特に料金は発生しない。
振り返ってみると、現行の通信規格である4G(LTE)や3G(ドコモでは「FOMA」と呼称)が開始される際にはこのようなプレサービス期間はなく、通信キャリアとベンダーが実証実験を行っただけだった。5Gでは実証実験に引き続き、なぜプレサービス期間が設けられたのだろうか。
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