電通とデジタル系コンサルティングのアールジーン(東京・渋谷)が新プロダクトの企画支援のため発足させたIoTNEWS生活環境創造室。NTTドコモでコンサルティング事業に携わるなど、モバイルやIoTの動向に詳しい吉田健太郎室長に、5Gでビジネスや消費がどう変わるのかを聞いた。

5Gの活用を語るIoTNEWS生活環境創造室の吉田健太郎室長
5Gの活用を語るIoTNEWS生活環境創造室の吉田健太郎室長
吉田 健太郎(よしだ・けんたろう)氏
1997年NTT移動通信網(現NTTドコモ)入社。非音声通信の普及を目的としたアプリケーションおよび商品開発後、モバイルビジネスコンサルティングに従事。 2009年電通に中途入社。クライアントの戦略プランニング策定をはじめ、新ビジネス開発、コンサルティング業務などに携わる。18年9月から現職兼務

ついにプレサービスが始まった次世代通信の「5G」。ビジネスや消費は5Gの登場によってどんな影響があるのか。

5Gの価値として高速大容量・低遅延が取り上げられがちだが、最も大きな価値は現在の約100倍の端末数が接続できる同時多接続にある。トリリオンセンサーとも呼ばれるように、近い将来、兆単位のセンサーが世の中に置かれるとも予測される。これらが場所や用途を問わず簡単につながるためには、電源を入れたらすぐに接続される仕組みが必要だ。この課題を解決するのが5Gであり、利用者が特に意識をせずにクラウドへ接続することが当たり前になっていく。そうした世の中を前提に「デジタルツイン」という概念を持つと、ビジネスの取り組み方が変わるし、消費の方向性が分かると思う。5G×デジタルツインだ。

IoT、人工知能、ロボティクスという循環

デジタルツインとはどんな概念か。

リアル社会に存在する物や人、そして事などをデジタルデータ化してサイバー空間で同じ世界をもう1つ作ること。ややこしい話ではなく、今すでに起こっていることでもある。あらゆるモノがネットにつながるIoTの普及に伴って、リアル社会の出来事は次々とデジタル化される。デジタル化されればAI(人工知能)はそれを認識できるし、データ量が膨大であればこそAIによる分析が威力を発揮する。その結果が、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によってリアル社会へ還元されていく。

データを介してリアル社会とデジタル社会は一体化していく
データを介してリアル社会とデジタル社会は一体化していく

確かに「5G×デジタルツイン」と題して9月18日に、NTTドコモと米シンメトリーが建築業界の次世代の働き方を実現する実証実験を発表。本特集でも、モノの売り方が変わる 5G時代に来る「VR/AR消費」とは何かで、リアルとバーチャルを融合した世界を5Gで推進する様子を紹介している。

IoT、AI、RPAがさらに進化していくことは恐らく皆が認めるところで、それに従ってリアル社会とデジタル社会の融合が加速していく。両者を分けて考えること自体がむしろ無意味になる。生活者の消費行動を見てみると、欲しいものをネットショッピングで買うこともあれば、実店舗で購入することもある。ただ両者をデジタルとリアルに明確に分けて認識したりはしない。

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