正確な需要予測は夢のツールだ。必須な数字が「気象データ」。特集第5回で取り上げてみたい。売れ行きを左右する週末天気や長期予報。建設現場のピンポイント予報もある。このほか雷や花粉特化のサービス、スキー場の積雪やサーフポイントの波の情報も。気象データの世界は奥深い。
マーケターにとって、最も重要な第三者データの1つが気象だろう。ただ、目的ごとに使うべきデータがまったく異なるので、注意したい。
本稿では4つに細分化する。「総合気象」は全国各地の天気予報から気象情報、気候変動予測まで扱う。「産業気象」は航行、物流、防災、需要予測など、ビジネスに役立つ気象情報を提供する。「専門気象」は雨、雪、風、雷、暑熱、スポーツといった専門特化の気象現象に精通する。「大気汚染」は健康や自然に影響を及ぼす汚染物質の観測・予測である。
気象によって実際の消費はどの程度影響を受けるのか。詳細な地図情報と組み合わせたい。そんな方は、特集第1回で紹介した「ビジネスで使える6カテゴリーのデータ」を念頭に、この気象データ編を読み進めていただきたい。
「総合気象」
気象庁
※気象業務支援センターが販売
気象庁が持つ各種の気象データは、外郭団体である気象業務支援センターが販売している。それらデータは、ウェザーニューズや日本気象協会など民間の気象事業者が購入し、利用してきた。より幅広い業界で気象ビジネスを促進することを目指し、気象庁は2017年3月に気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)を立ち上げた。定期的にセミナーやイベントを開催しており、製造、小売り、金融や保険など630社以上の会員を集めている。
気象業務支援センター
各種サービス
気象庁の外郭団体で、各種の気象データを販売している。例えば、20キロメートルメッシュで気温、湿度、降水量など予報に関連する情報をまとめた基礎データは月額約1万円で購入できる。配信のためのサーバー利用代金を、気象データの購入数で割った値段を、価格を決める際の基準としている。最近では、気象データを利用する事業者が徐々に増えつつあることで、従来よりも値段は安くなっている傾向があるという。
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