特集第4回は、位置・空間データを扱う25社を紹介する。人流データを捉えれば、その店舗や工場のもう1つの顔が見える。来店者数は多いのに売り上げはいま一つといった事実だ。訪日外国人の行動分析にも使える。地図データは、他のいろんなデータを乗せて整理する“器”になる。

(写真/ShutterStock)
(写真/ShutterStock)

 データは多ければいいってものでもない。整理されてないデータは存在しないに等しい──。

 データ活用のウイングアーク1st(東京・港)は、第三者が提供するデータをまとめた「3rd Party Data Gallery」を展開している。世帯人口、移動人口、インバウンド、ライフスタイル、事業者・施設、医療・介護、地理・気象といった切り口で整理している。同社のクラウド統括部リテールソリューション開発部の中土井利行部長は言う。

 「情報を整理する上で、地図データは使い勝手がいい。いろんなデータを乗せやすい。そうした“土台”に、今後はリテール系のデータを重ねていきたい」

 本稿は、特集第1回で示した「ビジネスで使える6カテゴリーのデータ」のうち、位置・空間データの主要プレーヤーを紹介していく。同データを大きく3つに分類した。「モバイル位置情報」は、人々の現在地と移動経路を、GPS(全地球測位システム)、Wi-Fi、基地局通信、スマホアプリなどから取得する。「地理空間情報」は地理、交通、施設、居住に関する統計・推計を、GIS(地理情報システム)で表示する。「地域経済情報」は地域社会ごとの人口動態、産業動向、生活文化などの統計である。

「モバイル位置情報」

 ドコモ・インサイトマーケティング 

サービス名 モバイル空間統計
 国内約7800万台(2019年3月時点)、訪日外国人約900万台(18年実績)の携帯電話が基地局に接続するデータを使い、人口の分布を捉えた位置情報の分析サービス。携帯電話の利用者情報を生かし、性別や年齢層ごとの分析ができる。携帯電話が基地局と通信をする仕組みを使って位置情報を捉えるため、アプリ経由でGPS情報を取得する他社のサービスと比べると、サンプルサイズを大きくしやすいという特徴がある。
データの種類
● モバイル機器 ● 顧客セグメント情報 ● 人流 ● 顧客ターゲティング

 KDDI、コロプラ 

サービス名 Location Trendsau人口動態データ
 KDDIとコロプラの「Location Trends」は、データ利用の許諾を得たKDDIのサポートアプリのユーザー位置情報を分析するサービス。観光振興や商業施設の出店計画などの用途で、顧客の要望に合わせて人流データを分析するリポートを提供している。KDDIは、過去や現在だけでなく、人流を統計分析することで1時間後の予測データも参照できる「au人口動態データ」も間もなく提供開始を予定する。
データの種類
● スマホアプリ ● 顧客セグメント情報 ● 人流 ● 顧客ターゲティング