動画に登場して年間1億円以上稼ぐ個人やグループのYouTuberが続々と誕生している。20億円以上も夢ではない。YouTuberや企業はどのように、新たなメディアである動画をマネタイズしているのか。2019年7月に米アナハイムで開催された世界最大規模のYouTuberイベント「VidCon」から、米国の動画最前線を読み解く。

Ryan ToysReviewのYouTubeサイト。1000万回以上の視聴があるコンテンツもある
Ryan ToysReviewのYouTubeサイト。1000万回以上の視聴があるコンテンツもある

 米国のYouTuberの収入は桁外れに多い。米フォーブス誌の推計によると2018年に最も稼いだチャンネル「Ryan ToysReview」は年間2200万ドル(約23億円)と桁違いだ。Ryan ToysReviewは、7歳の男の子とその親がおもちゃを使いながらレビューする独特のスタイルで、2100万もの登録ユーザーを集めている。

 Ryan ToysReviewの投稿は1000万回以上の視聴があるコンテンツもある。一般に1回の視聴でYouTuberに0.1円が入ると言われており、1回の投稿で100万以上の収入がある計算だ。また3年前に公開した「HUGE EGGS Surprise Toys Challenge」は18億8000万回もの視聴があることで知られる。庭サイズの遊具内でおもちゃの入ったタマゴを探すというシンプルな動画だが、タマゴの中からさまざまなキャラクターが出てきてそれを使って遊んでいく。

米国のYouTuberの推定年収ランキング。米フォーブス誌による評価
米国のYouTuberの推定年収ランキング。米フォーブス誌による評価

 Ryan ToysReviewに代表される人気チャンネルの特徴は大きく3つある。まずは生活やゲームに関連するトピックを取り上げ、興味深く試してみせること。2つ目がほぼ毎日頻繁にコンテンツを更新すること。3つ目が映像のクオリティーが高く、コメントなどを差し込んで見やすくしていることだ。多くのYouTuberが稼いだ収入をカメラや編集装置などに投資している。

 フォーブスはソーシャルメディアの影響力ランキングを提供している「Social Blade」などのサイトの情報を参考に、業界関係者への取材を加味してランキングを算出している。フォーブスによるとトップ10のYouTuberの収入は2018年に前年比で4割増加したという。日本でも著名YouTuberの「HIKAKIN(ヒカキン)」は年間数億から10億円の収入があるとされる。

 背景にあるのは若者を中心とした動画の視聴習慣の定着と、YouTubeなどによるマネタイズ手段の多様化がある。マネタイズ手段の多様化については次回詳しく述べるが、それぞれのYouTuberのインフルエンサーとしての影響力が高まっている。

 Ryan ToysReviewは玩具や流通業界に大きな影響を持っている。例えば、米ウォルマートはeコマースのサイトに「Ryan's World Toys」を設けており、Ryanが利用した玩具を購入できるようにしている。動画を見た顧客がウォルマートのサイトに行けば同じものが手に入るという仕掛けだ。

 最も視聴され、もうかっているコンテンツは「ゲーム」である。オンラインゲームをプレイしながら実況するYouTuberがフォーブスの収入ランキングでもトップ10の半数を占めている。収入ランキング9位の「PewDiePie」に至っては登録ユーザーが約9900万と1億目前となっている。

 ゲーム以外では化粧品を使いながら解説する「Jeffree Star」が1500万の登録ユーザーを持ち、ランキング5位の年間1800万ドル(約19億円)の推定年収がある。Jeffree Star氏は化粧品ブランドも立ち上げて、YouTubeで周知している。男性だが自ら化粧をしながら説明するスタイルがうけている。

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