前回はインサイトのためのフレームワークの全体像と、最初の段階としてビジネス課題を定義するDEFINEフェーズを紹介した(関連記事「レノア生んだ「P&G式フレームワーク」 強いインサイトをつかむ」)。第4回はレノアの成功とルミネスの失敗を例に、インサイトの発見フェーズであるDEVELOPフェーズと、インサイトをマーケティングプランに落とすためのDELIVERフェーズを解説する。

 DEVELOPフェーズは、実際にインサイトを発見するための段階だ。多くの企業はカスタマー調査を実施しているだろう。量的なアンケート調査に基づくニュースなどもよく見かける。それほどカスタマー調査というのは、マーケティング活動として定着している。

インサイトを発見し、実行に移すための3Dフレームワーク。良質なインサイトを発見する準備段階の「DEFINEフェーズ」、実際に発見する「DEVELOPフェーズ」、インサイトをマーケティング施策に落とし込む「DELIVERフェーズ」に分けられる
インサイトを発見し、実行に移すための3Dフレームワーク。良質なインサイトを発見する準備段階の「DEFINEフェーズ」、実際に発見する「DEVELOPフェーズ」、インサイトをマーケティング施策に落とし込む「DELIVERフェーズ」に分けられる

 ここで皆さまに質問。アンケート調査のような量的調査で結果が良かったのに、実際に商品やサービスを世に出してみると、あまりうまくいかなかったというような経験はないだろうか。

 私はある。その代表が柔軟剤レノアの成功後に発売した、おしゃれ着洗剤「ルミネス」だ。おしゃれ着洗剤は、汚れは落としたいが、大事な衣類なので優しく洗いたいというニーズに基づいて開発した。オレンジ成分を配合して開発したものの、これがうまくいかなかった。発売直前に競合ブランドが似通ったオレンジ成分を含む商品ラインを発売したこと、また発売直後の売れ行きが悪かったため、店頭販促を十分実施できなかったなど、さまざまな理由が考えられるが、インサイトの観点で学んだことがある。

 それは「数字はもちろん大事だが、数字だけで決断するとビジネスは失敗しかねない」ということだ。実はアンケート調査上、ルミネスはレノアよりも消費者から高評価だった。特にコンセプトステージ、および商品を使った後の購買意向においてはどちらも統計的に有意差があるほどだった。

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