データの比率を示すには、円グラフやドーナツチャートを使うという思い込みを持っていないだろうか。ただ実際には、複数の項目を比較するときには、棒グラフを使うほうがデータの長さを比較しやすい。適材適所でグラフをどう使い分けるか。ビジュアライゼーションの専門家、松島七衣氏が解説する。
2.合計や平均値に加えて、データの分布にも注目
3.場所のデータは地図上で表現する手も
前回に続き、新聞で見かけたグラフを参照しながら、より分かりやすく、より深くデータを分析するための方法を見ていきます。最近は、ビジュアルを重視した紙面も増えてきましたが、基本的に新聞は文章が中心です。グラフは必要最小限の数だけに絞っているケースが多いようです。
新聞に掲載されているグラフの大半は、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフです。多くの人が読むことを考えて、一般になじみのあるグラフ表現にとどめているのでしょう。
ビジネスの世界でリポートやプレゼン資料を作るなら、目的に合わせてもう少しバリエーション豊かに表現してみてはいかがでしょうか。美グラフの条件として定義した3つの項目(①正しく伝わる ②分かりやすい ③シンプル)の目的は、伝えたいことが効果的に伝わること。そのために、適切なグラフの表現方法を慎重に選ぶことが大切です。
大小の比較をするなら棒グラフ
ある日の新聞に、あるスポーツ大会の予算について、その内訳がドーナツチャートで掲載されていました。別のグラフに置き換える前に、まずはこのドーナツチャートを少し手直ししてより見やすくする方法を考えてみましょう。
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