日々のニュースを伝える新聞にも多くのグラフが使われている。重要なことを端的に伝えるためシンプルな表現に徹しているものが多く、大半は美グラフの条件を満たしている。今回は、新聞のグラフはどんな分析軸を選んでいるかをひもとき、より深く分析するにはどう軸を作るかを解説していく。
2.時系列で分析したら、場所を変えたらと考える
3.地図上に表示して地理的な分布を見る手も
新聞のミッションは、記事を通して「正しく伝える」「分かりやすく」説明すること。記事の中のグラフも、1つのポイントに焦点を当てているものが多く、結果として「シンプル」なものが多いです。つまり美グラフの3項目(①正しく伝わる、②分かりやすい、③シンプル)を満たしているというわけです。新聞を読んでいても、極端な「NG」グラフを見かけることは少ない印象があります。
そこで今回は、グラフの「NG」「OK」を判別するのではなく、新聞のグラフがどのような分析軸で構成しているかを見極めるとともに、データをより深く理解するにはどんな軸で分析するかを考えます。こうした練習をしておくと、自分でリポートを作るときに、顧客や上司を説得するために「正しく」「分かりやすい」グラフを作るにはどうすればいいか、見えてくるようになります。データの分析軸は、「美グラフ」を作るための重要な土台となるのです。
まず、分析軸の作り方についての基本を紹介しましょう。データをグラフにまとめるときには、「A.時間」「B.場所」「C.カテゴリー」という3つの観点に対して、その「a.値」と「b.割合」という軸を組み合わせます。まとめると、以下のようになります。
例えば、直近10年間の売り上げの年推移といえば「A×a」、世界の中でのシェアであれば「B×b」、別の商品との比較であれば(C×a)となるわけです。では、実際に新聞に掲載されたグラフを見ていきましょう。
ある時点の情報だけでなく、その時系列の推移を知る
ある日の新聞に「日本の有給取得日数は最下位」という記事がありました。世界数カ国との2018年の有給取得日数を比べていました。比較された国の中で、日本は最下位です。このグラフは「B.場所」×「a. 値」の組み合わせとなります。
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