ついに日本の“イノベー食”が世界に本格展開する。現代人に必要な1食分の栄養素を練り込んだ麺を引っさげ、ベースフードが2019年9月に米国でのビジネスを本格化させる。シリコンバレーの「ラーメン凪」で提供を始めるほか、カリフォルニアを中心とした西海岸でネット販売に乗り出す。
「日本で2018年末から本格的に展開し、マーケットで認知され手応えを感じている。米国では健康を志向する人や時間を節約したい人に向けて、西海岸のシリコンバレーから始める。半年後には米国マーケットでも認知されたい」
ベースフード(東京・目黒)の橋本舜社長はかねて目標としていた新型麺の米国市場への参入について、自信に満ちた表情で淡々と説明する。
2019年8月28日、米シリコンバレーの中心地であるパロアルトにある「RAMEN NAGI(ラーメン凪)」の店舗。ベースフードの新型麺を採用したラーメンの試食に舌鼓を打つ招待者であふれていた。日本人が中心だったため、普通のラーメンとの違いに最初は戸惑ったが、受け入れられたようだ。
「ラーメンというよりそばかな。新たな食感だね」
「濃いめのスープと絡めて食べると、おいしい」
「麺が少ないと思ったけど、結構おなかがいっぱいになった。麺だけでも栄養が十分だと聞き、健康にいいのではと思った」
野菜増しなど健康志向を加速
ベースフードは生麺の「Base Noodles(ベースヌードル)」をラーメン凪に納める。米国に参入するにあたりラーメン凪と目指したのは、ベースフードの最大の特徴である健康志向の加速だ。
ラーメン凪を運営する凪スピリッツ(東京・新宿)海外サポート部の田中耕平サブマネージャーも「ラーメンは栄養バランスが良くないという概念を打ち砕くものとしてベースフードの麺を採用したメニューを東京で始めた。そのコンセプトを米国でも広めたい」と言う。
ラーメン凪の特別メニューは、昆布とキノコの精進ダシだけでなく、野菜ダシのダブルスープとした。それに味噌を合わせている。さらに麺の上には野菜のテリーヌを載せ、巨大なのりも添えている。ラーメン凪は一定期間後に、正式メニューにするかを判断するという。
ベースヌードルは、厚生労働省の「栄養素等表示基準値」に基づいて、タンパク質、各種ビタミン、ミネラルなどの栄養素材を練り込んで開発した雑穀生麺だ。米国でもFDA(米食品医薬品局)の基準に基づいて製造している。橋本社長は「日米の基準に大きな違いはなく、米国版は多少カリウムの成分が多いといった程度」と説明する。
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