マンガは短い時間で読めるうえ、時に感動を与えて人を動かす――。ネットとリアルで事業の幅を広げながら19期連続で増収を続けるアイスタイルの吉松徹郎社長は、自他ともに認めるマンガ好き。その吉松社長にビジネスパーソンが今、読むべきマンガ3冊を厳選してもらった。
吉松徹郎(よしまつ・てつろう)氏
アイスタイル社長兼CEO
1972年生まれ。東京理科大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。99年にアイスタイルを設立し、社長に就任。コスメ・美容の総合サイト「@cosme」をオープン。2012年に東京証券取引所マザーズへの上場を経て、同年11月に東証1部に市場を変更。
ワインを覚えようと思った時に、「お前にはマンガがあるじゃん」と言われたこともあるほど、自他ともに認めるマンガ好きが、コスメ・美容の総合サイト「@cosme」で知られるアイスタイルの吉松徹郎社長だ。マンガは基本、単行本では買わない。新たなマンガとの出合いを求めて『少年ジャンプ』や『少年マガジン』から『モーニング』まで数多くのマンガ雑誌を今も買い続けている。
「今のマンガは、小さな映画のよう。1つの作品に多くの人が携わり、設定やシナリオがしっかりしていて、時代背景も丁寧に描かれている。知識の集積といえる作品が多く、いろいろな分野で気付きが得られる。自分の幅を広げるうえでも役立つはず」。そう指摘する吉松社長に「チームマネジメントを学ぶ」「感性を磨く」「ビジネスの本質を捉える」という3つの視点からビジネスパーソンが読んで刺激を受けられるマンガ3冊を挙げてもらった。
チームマネジメントを学ぶ
『capeta(カペタ)』
曽田正人/講談社
モータースポーツに魅了された少年、平 勝平太(通称、カペタ)の成長物語。父親が手作りのレーシングカートをカペタに与えたことをきっかけに、レーシングチームのドライバーとしての彼の物語が動き出す。
「世の中は理不尽。平等じゃない。主人公のカペタにお金は無いが、ドライブテクニックを持っていた。そんな彼がレーシングチームを作り、自分には無いものをどう克服して、勝ち続けていくか? この作品に描かれているのは、実はカーレースの話ではなく、ベンチャービジネスの話ではないかと感じる。仕事って足りないモノばかり。『上司に恵まれない』とか、『頼りになる仲間がいない』『時間が足りない』とか。制限がある中で、それを解決しながらゴールに向かっていく。新規事業の担当者や現在担当するプロジェクトがうまくいっていない人には特にお薦め」


感性を磨く
『はじめアルゴリズム』
三原和人/講談社
主人公、関口ハジメ(小5)は世界を数学で解き明かしたい。そんな彼は老数学者・内田豊と出会った。天才的な才能があるハジメは内田に指導され、才能を広げていく。
「『のだめカンタービレ』(講談社)を読むとクラシック音楽の印象が変わるように、この作品を読むと数学への印象が変わる。それは、難しそうなものでもちょっと視点を変えると、全く違って見えるということ。固定観念から離れると視野が広がると実感できる。例えば、0(ゼロ)は人間が発見したのか、発明したのかという話が出てくる。もしも宇宙人とコミュニケーションを取るとしたら、共通言語は多分、数学になるだろうと言われているから、ゼロを宇宙人が知らなかったらどうなるのだろう?といった哲学的な思索に私も思いをはせた」


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